浅草にやってきました。
生活圏が多摩地区なので、東に来るとワクワク。
以前来たときと違うのはひとつだけ。
いつもの風景の空の一部にスカイツリーが加わったことです。
それ以外は、いつもの浅草です。
待ち合わせの時間まで少しあるので、喫茶店を探しました。
歩いてみると、浅草寺周辺には沢山の珈琲屋さんがあることに気がつきました。
それこそ300mに一店舗はあるぐらいの数です。
純喫茶「待合室」という名前に惹かれて、店を決めました。
まさに、その店名が私の求めている時間の過ごし方そのものだったからです。
待合室と聞いて思い浮かぶのは、病院や会社などの施設です。
待合室。
メインのイベントがあって初めて、待合室は存在します。
例えば病院なら、診察がメインイベント。
例えば会社なら、接客がメインイベント。
待合室。
メインのイベントに花を添える待合室。
メインのイベントの前に呼吸を整える待合室。
自分なりの心の待合室(笑)のイメージを持ちながら入店。
バーン。
大きなテレビ画面に馬が映っていました。
今日は競馬。
おじさまおばさまが手元の競馬新聞と画面を交互にみていました。
私もこの時間、競馬をメインイベントにしてみようと心を切り替えました。
自分の誕生日の語呂から7−8、と心に決めてレースを追っていました。
見事7と8がワンツーフィニッシュ、とはいかず、7の一着だけが当たりました。
残念。
人生そんなに甘くないぜ。
手元の珈琲がそう言っているように思えました。
客はそれぞれ、それぞれのスタイルでゆったりと過ごしていました。
「一匹狼ここにあり」を伝えるノロシのごとく、たばこの煙が細く上がっていました。
珈琲は、香りが強すぎることもなく、濃すぎることもなく
主張しない、ただそこに寄り添うな味でした。
待合室の名の如く、
他に主となる時間や人を静かに見守るかのような、おだやかな味でした。
純喫茶、待合室。
純喫茶とはこんな風景かもしれません。
待合室とはこんな時間なのかもしれません。
住所:東京都台東区浅草2-4-3
TEL:03-3841-1214