昨年の桜の季節に京都の喫茶店を訪れた。
桜も満開で天気も良く、まさに春爛漫の日和だった。
だけど書かずに放っておいたら新緑の季節になってしまって、今年の桜の季節まで待っていた。
そしていざ写真を見たら、桜の写真を撮ってなかったことに愕然としたけれど、せっかくなので、一年越しに書く。
関西に引っ越して来たばかりだった昨年の春。東京の職場でとてもお世話になった先輩が京都にいらっしゃるというので、お茶することになった。
彼は写真を撮るために、京都に定期的に来ている。関西に日の浅い私よりも格段、京都には詳しい。
向かったのは河原町の「フランソワ喫茶室」。昭和9年創業の老舗の喫茶店。訪れるのは数度目である。
画家のフランソワ・ミレーから名付けられたという喫茶店。豪華客船のホールを模したバロック様式の内装は唯一無二。
戦時中、反戦や前衛的な芸術を議論するサロンになって欲しいというオーナーの想いがあったとのことだ。
強引な結びつけかもしれないけれど、そんな文化的寛容さが遠い昔の記憶となって、ここで過ごす人を包み、安心感を与えるのかもしれない、と思った。
ステンドグラスからの眩しいばかりの日差しが、なんだか印象に残っている。
フランソワを出たあとは、八坂神社近くにある「長楽館」へ。明治44年に建てられた迎賓館である。現在はホテルやレストランになっており、ランチのカレーを食べた。
八坂神社はよく訪れるという先輩は長楽館のことを知らなかった。少し足を伸ばしたらまだ知らないところがあるんだね、と喜んでくれた。せっかく京都を案内するのに、知っているところばかりだったらどうしよう、と思っていたので、ひと安心。
今年も桜が咲いた。気温は上がらなかったし、週末は爆弾低気圧がやってきてあっという間に散ってしまったが、それでも花は咲き、春が訪れ、季節は巡る。
今年も先輩は桜を撮りに京都を訪れている、と、フェイスブックで先ほど、知る。
フランソワ喫茶室
京都市下京区西木屋町通四条下ル船頭町184
075-351-4042
10:00~23:00
ラストオーダー:サンドイッチ・トースト類 22:00 ドリンクorケーキ 22:40
12/31・元旦休 夏季休暇(2日)
http://www.francois1934.com