久しぶりの投稿です。
トーキョーを離れて関西に来て、約1年が経とうとしています。トーキョーはなんやかんやで行くだろう、そして用事の合間に喫茶店に行けるだろう、と思いながらなかなか行けずじまい。
関西でも相変わらずいろんな喫茶店やカフェを訪れています。たくさんのお店があるけれど、どのお店もやっぱりトーキョーとは違う空気を持っています。
大阪、京都、神戸を中心に、関西の素敵な喫茶店の話を、たまに投稿させていただきます。
遠い街の物語として、また旅の参考などに、していただければ嬉しいです。これからもよろしくお願いします。
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友人がかつて個展を行ったという縁で、異人館で有名な、神戸・北野の丘の上の路地にある喫茶店を訪れた。
「画廊喫茶GiGi」。扉を開けるなり、大きくて凛々しい犬が出迎えてきた。大きいけど、怖くない。
犬はどちらかというとあまり得意ではないけど、なんだか心が通じ合えたみたいで、手を差し出すと、ペロペロ舐める。
「アルファは女の子が好きなんだよね」と笑いながら声をかけてきたのはマスターで画家の凛さん。彼もちょっと強面だけど、人懐こい笑顔。アルファという名の飼い犬に似ている、じゃなくて、アルファ君が凛さんに似ているのか。
店内のそこかしこに凛さんの作品と遊び心が散りばめられている。メニューは手描きのコーヒーのイラスト。「カルーア・ラテください」と言うと、「絵は描けるけど本物は上手く作れるかなあ」と笑う。ちょっと不安になったけど、おいしく美しいカルーアラテを淹れてくれた。
店内には金魚がいたが、よく見ると、それは透明なシートに描かれた絵で、凛さんが描いたもの。スイスイ泳ぐ金魚たちは、本当に生きているようで、言われてもすぐには絵だと信じられないほど。
スーツケースを引いた男性が店に入ってきた。彼は手にトランプを持っていた。
彼はマジシャンだった。丘の上の公園で路上マジックをやり、一服をしにやってきたらしい。
興味津々で彼を見つめていると、「マジックやりましょうか?」。私達の席にやってきて、2、3のマジックを披露し、スプーン曲げのマジックでハート形に曲がったスプーンを私達にくれた。
なんだか、いろんな魔法にかかったような気がする、不思議な画廊喫茶でのひとときだった。
画廊喫茶GiGi
神戸市中央区北野3-5-16
078-261-1023
11:00~24:00
無休
http://www.art-gigi.com
楽しみにしていますね。