今週の金曜日、27日土用の丑の日です。
夏負けしないようにと、この日にウナギの蒲焼きを食べる風習は、江戸の昔に始まったとか。

さて、銀座のウナちゃん。どの店に行きましょうか? どんなウナギを食べましょうか?
しかし養殖用の稚魚のシラスウナギが捕れていません。
不漁続きの近年でも今年は際立つ不漁の極みだそうです。

価格は高騰どころか暴騰だとか。国産ウナギのみならず中国台湾
アメリカカナダ。最近は南半球ウナギと称してマダガスカルタスマニア
オーストラリア産のウナギまで買い付けに行くとか。

それに加えて、欧州に続き米国までが、野生動物を保護するワシントン条約
稚魚の捕獲を規制する検討を始めたとか。そんな逆境の中でも、
ちょっと気になる銀座の2店をリサーチ。
ほらほら、牛丼外食チェーンの鰻丼を食べ比べですよ。

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銀座7丁目店 東京都中央区銀座七丁目14番1号 荏原実業ビル1F
 
トップは、すき家。場所は昭和通りの7丁目。
期間限定ですが、一応しっかりとうな丼がメニューに載っており、牛丼との合い盛りやら、
温泉玉子とろろのトッピングやらで、バリエーションが多いのが特徴です。

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今回はシンプルなうな丼並(780円)をオーダー。注文して15秒ほどで出てきました(笑)。
もちろん肝吸いはありませんが、粉山椒の小袋は付いてきます。

おぉ、見た目は綺麗です。
ビックリしましたがメニューの写真よりも、鰻が大きいです。

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焼き色もよく、箸を入れるとふっくらほっこり
肉厚もあり、身も固くはなく、ほどよくほぐれます。全体的に優しい感じのあっさりダレ
最後まで一気にほおばれました。
(あくまで個人の感想です。)

 昭和通りからテクテク歩いて銀座3丁目へ。
こんなメーンの銀座通りに、次の吉野家があるのかと思いきや、あるんですねこれが。

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銀座3丁目店  東京都中央区銀座3-5-5 南風ビル

ここ吉野家も期間限定。店頭からは鰻丼があるのかは分かりませんが、
店内にはしっかりと鰻丼のポスターが貼られています。

吉野家は今、夏期限定のねぎ塩豚丼を大プッシュしているので、
メニュー表には一切表記されていません。
こちらはすき家のようにバリエーションはなく鰻丼だけの一本勝負です。
 
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さっそく鰻丼並(650円)をオーダーすると、ここもわずか15秒ほどで供されました。
真空パックで配送され湯煎するのか、レンジでチンしているのか、知りたいところです。
 
焼きはしっかりしていますが、と言って硬くはなく
身のホクホク感はほどよく残っています。

食べ進むほどにさすが吉野家らしく、ツユダクならぬタレダクです。
全体的にコクのある東京風濃い醤油の味付けです。

すき家と同じく、粉山椒の小袋が付きますが、
粉山椒の香り立つフレッシュさはすき家に軍配です。
(あくまで個人の感想です。)

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シンプルなうな丼同士で比べてみると、
吉野家が650円、すき家が780円130円もの開きがあります。

安さが売りのすき家が高いのは意外でしたが、年々100円ずつの値上げ、
わずか2年前のうな丼が580円だったことを考えると、
そうとう稚魚が高騰しているのだと思います。

使っている鰻は、両者とも中国産だとか。
吉野家はHPに載っていますが、すき家は載っていません。
でも親会社のゼンショーホールディングスにその素性がしっかりと紹介されていました。

実はゼンショーは、外食産業では業界トップの売り上げ・店舗数 (連結子会社を含む)。
あの日本マクドナルドやすかいらーくグループよりも規模が大きいのです。

まぁ、すき家だけでなく、うどん類のなか卯、ハンバーグのビッグボーイ、ファミレスのココス
和食の華屋与兵衛、パスタのサンデーサン、回転寿司のはま寿司も同グループなので、
中国に自前のでっかい養鰻工場を持っていてもなんら不思議はありません。

しかし近年、中国産鰻は劣悪のイメージです。
回復不能と思われる程ガタ落ちしましていますが、中には高い品質を追求している業者もあり、
特に日本の資本が入った養鰻場はそうであって欲しいと思っています。
まぁ、大切なのは産地よりも安全性ということでしょうかね。
(あくまで個人の感想です。)
 
食べ比べの総括としては、軟派のすき家か、硬派の吉野家か。
出てくる部位の違いや、値段の格差もありましょうが、
あっさり派ならすき家へ、濃い口派ならしっかりダレの吉野家です。

不思議に思ったのが、2店とも地焼きではなく、
蒸しての提供なんですが、両店とも関西にも店舗はあります。
関西のお客さんは、納得して食べているのでしょうかねぇ。
(あくまで個人の感想です。)

 

ということで、オマケで銀座のお得な鰻情報をば。
【登三松】チェーン店・登亭のセカンドライン。登亭よりも安価で食べられる。
【炙 一徹】鰻問屋の直営店坂東太郎と呼ぶ養殖鰻をささっと気軽に食べられる。
【ひら井】銀座内で3度目の移転。鰻重の前に何かつまみながら、最後の締めに鰻を。
【鰻菜詩】最近できた新店。遠州・浜名湖の美食もののプチ高級店。読みは、うなしー
【備長】3度おいしい名古屋のひつまぶしが食べられる店。鰻丼に飽きたらここ。
(あくまで個人の感想です。) 


そして最後に、都内の鰻屋に限れば、一番好きな店はココ。
【石ばし】西江戸川橋にある明治43年創業老舗鰻屋
注文を受けてから鰻を捌くので、出てくるまでに一時間超はかかります。
風情のある建物、縁側から見える中庭の眺めもいい感じ。
奥座敷の畳部屋のしつらえも落ち着いてます。

なにせ好きなのは、旨い日本酒が揃っていること、冷酒でちびりちびりと一献。
年期の入ったぬか床で作った漬け物で、また一献。すぐに時間は経ってしまいます。

残念なのは、あ〜残念なのは、土用の丑の日は、毎年お休みです。
鰻の供養なのか。なんじゃ、そりゃあ〜 。


 

 
鰻から 見れば悲しい 魔の土用      (箱木八重野)