京都は昔から憧れの街だった。
西へ引っ越すことが決まり、住む街を探すとなったとき、
まず浮かんだのが京都だった。
憧れの京都に住みたいと思った。
さっそく京都に行き、住む街の候補を探してみた。
だけど、自分の居場所に相応しい場所を見つけることができなかった。
京都に住むイメージができなかったのだ。京都には住まないことにした。
それはもしかしたら、京都に憧れすぎているからかもしれない。
憧れとは非日常で、そこでの日常をイメージできない。
週末に、ふらりと訪れるくらいでいいんじゃないかと。
そのくらいの距離が、憧れや非日常感や「ハレ」の感覚を、
そのままにしておけるんじゃないかと。
西に来て一ヶ月、ようやく京都を訪れる。
住む街から阪急電車に揺られて1時間。とても近い。
久しぶりに「ソワレ」を訪れた。
レトロな内装、青い空間、そして妄想みたいな極彩色のフルーツ・ポンチ。
週末は観光客で賑わっていて慌しい雰囲気だけど、やっぱり京都らしさを味わえる、
心地の良いお店だ。
京都はお寺に神社、おしゃれなショップやカフェ、見所はたくさんあるのだけど、
私は河原町のごちゃごちゃしたそんなに上品でもない界隈になぜか惹かれていて、
しばらくはこの辺の雑踏を散歩するだけで満足。
4月になったが、まだ桜は咲いていなかった。
居酒屋の呼び込みのお兄ちゃんによると、明日は雪になるらしい。
桜はまだ少し先のようだが、桜満開の京都の街を想像する。
それはとてもとても素敵な風景だった。
だから私はきっと、桜の季節に京都に来ない。
だから私はきっと、桜の季節に京都に来ない。
喫茶ソワレ
京都市下京区西木屋町通四条上ル
075-221-0351
12:00~22:30
月休