月島で有名なもんじゃを混ぜる時、、
なんとなく卑猥な気持ちになる女性しか乗っていない大江戸線。
ボクは打ち合わせで外苑前に行くために、
電車に揺られていた。
電車は空いていボクは座席の中央当たりに座っていた。
当然、両サイドに女の子を迎え入れるためだ。
電車が空いている時はいつもそうするが、
決まってはげちらかしたおじさんかひとりごとを呟く好青年がボクの横に座る。
ボクの何かが引き寄せているのかもしれない。
そんな事を思っていると、
一人のパンツスーツを決め込んだ女性が隣りの車両から
歩いてきた。
ボニー・ピンクみたいな意思が強そうな目に一瞬、ハッとする(とても好きなタイプだ)。
彼女はどこに座ろうかと物色しつつ、ボクの隣に目をやった。
その頃には座席は多少埋まっていて、
ボクの隣か前のおじさんの隣くらいだった。
そして、彼女はどちらに座ろうか吟味した上で
ボクではなく、前のおじさんを選んだ。
衝撃、失望、そして……
”トキョめき”の瞬間である。
人は思い通りになる事より、
思い通りにならない事の方が印象に残る。
隣りに座ってもらってついつい睡魔に襲われてしまう彼女が
ボクの肩によりかかって何度も
「あっすいません」みたいな状況をイメージしていたが、
その理想が打ち砕かれた事によってよりステキな感じになっているのだ。
さらに、前に座ってもらった方が「駅に着いたかな?」感を利用して
何回も彼女を見れるというメリットもある。
でも、ボクは彼女をあまり見る事ができなかった。
彼女の視線があまりにも強くて怖かったし、
本当に怖かったから。
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