拝啓おふくろさま

師走に入り寒さも慌ただしさも一層厳しい季節となりましたがその後おかわりありませんか。 
すっかり連絡もご無沙汰となってしまいましたが、私はといえば、寒さをごまかすために相変わらず日々飲んだくれる毎日でお恥ずかしい限りです。
二日酔いで迎えた朝など母上の作ってくれた味噌汁の味がふと恋しくなったりするのですから勝手なものですね。
考えてみれば、味噌汁というのも実家で暮らしているときは何も考えず、真夜中に帰宅して台所に残った冷たいものをおたまから直接飲むのが習慣になっていたくらい当たり前に存在していたはずなのに、一人暮らしをしてみるとあまり飲む機会がなくなるものですね。
ハンバーグだろうとカレーだろうと夕飯にはいつも必ず味噌汁が隣にいた生活を懐かしく思い出します。

的な!!!(妄想)




阿佐ヶ谷ゴールド街「クロンボ」が涙の閉店を遂げたのは今年の夏のことだった。

阿佐ヶ谷コラムにてアユミさんがそれについて書いたが、そのコラムのアクセス数は今でもランキングの上位にいつも存在している。
それだけ愛されたかわいこちゃんアユミ、じゃない、店だったのだろう。

俺もクロンボに出会った当初は、安さとボリュームとかけ放題の「丸●屋ののりたま」に感動してそれはひっきりなしにお世話になったものだったが、時を経てふと、クロンボは「いつでも変わらずそこにある存在」となり、まああれだ、長年連れ添った古女房的な?

つまり
「ほっといても別にいつでもあるからいっか」
みたいな対応をしていた。

そして気付いた時には閉店の張り紙が。

そうまるで、ある日いつものように帰宅したら台所の灯りは消え、
「あたくし実家に帰ります」
の置き手紙が離婚届に判を押したものと共に机に置かれていたあの日のように(妄想)

あ、なんかおふくろさんじゃなくなってきたけど、つまり後悔したわけさ!
クロンボ〜帰ってきてくれ俺たちのもとに!!!(号泣)

そーしたら、帰ってきたんですよみなさん、俺の古女房、じゃないクロンボが!

「阿佐ヶ谷クロンボ再開を待ち望む会」から連絡が入ったのは師走に入ってすぐのことだった。しかも新店は高円寺!俺様の居住地である!!!ブフッ!(鼻息)

そんなわけで早速満を持して行ってきた。なつかしいな〜クロンボ。あのなんてゆーの。ミシュランガイドとか巨匠堺マチャアキ☆3つです!とか海原雄山究極と至高!とか
そういうのとはまったく住む世界を別にした料理の味。

そしてかけ放題ののりたま(←重要)

場所は高円寺北口を右に歩いてすぐ。東急ストアと桃太郎寿司の間。
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あったぁ〜(号泣)あったよぉ〜俺たちのクロンボが(再号泣)

でもなんか看板がきれい…似合わな〜い。

でも目の前にはゴールド街と同じくショーケースが。
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あ〜!
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良かったぁ〜!
ショーケースの中身は確実に使い回しだねっっ!!!(笑)

メニューも変わらず(たぶん)てか知らなかったけどEセットなんてあったっけ?めちゃめちゃいいじゃんこのクオリティ!!(内容はあとで)
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 ということで俺たちはさっそくクロンボ一番の高級価格(680円)を誇る「Dセット」と「Eセット」を注文。

これがDセット。
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からあげとクリームコロッケとハンバーグ(ハムの下に存在)と目玉焼きとハムとスパゲッティ!!
向かうところ敵なし!!!(息も絶え絶え)

そしてEセット。
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ハンバーグとナポリタンの同時攻撃!夢の実現がここに!!!(滝涙)

と撮影したら
「はいどうぞ」
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すすすすみません。興奮していてすっかり忘れてました(汗)

クロンボのメニューにはハンバーグでもスパゲッティーでも
必ず味噌汁がつくということを(感涙)。

俺たちが無言でわしわしと一気に平らげたのは言うまでもない。
これ!これですよ!なんてゆーの?「黒毛和牛100%」とか「つなぎ一切不使用」とかそーいった最近流行のオサレワードを一切無視した懐かしい俺のハンバーグクロンボ!
同じく「アルデンテ」とか「デュラムセモなんとか」とかそーいったイタリアンキーワードと一線を隔てたところに存在する「スパゲッティ(決してパスタではない)」にこれまた「100%ケチャップで味付けてます」的ナポリタン!
イタリアンじゃないナポリタン!!
ナポリタンって名前で期待に胸を膨らませて注文してさ、食べてみたらなんかこう酸味ってゆーの?トマトソース的なものを感じると人生最大の腹立たしさを感じるのは俺だけではないはず。具もあれだ。タマネギとピーマンとハム!が正しいのである。ショルダーベーコンとか全力でやめてほしい。
クリームコロッケにかかるのもタルタルとかなんとかソースとかではなくしっかりケチャップ!!

そして俺は、あ、今回あまりの興奮で一気に食べちゃって写真とか食事スタートから全く忘れちゃったから写真はないけどさ、この店の特筆すべきは目の前にデンと鎮座する
「ご自由にお使いください」ののりたまと紅ショーガの存在。
俺は阿佐ヶ谷時代、いつだってのりたまごはんのためにおかずを食べながら自我を抑えて我慢して我慢してごはんの勢いをひかえめにする。
気分はもう修行僧だ。
そして満を持して、最後に残ったごはんにのりたまをかけて食べるのだ。

さらに目玉焼きの真ん中の黄身のトロトロの部分も我慢に我慢して残しておいて、をごはんにのせて、一番最後の一口は
「のりたま&トロトロの黄身のせごはん」
というミシュランガイドも裸足で逃げ出す至高の味わいを楽しむ。

それが俺のクロンボでの決まり。

あー。S・A・I・K・O・U。最高と書いてサイコウ!

ちなみに恥ずかしがって(何を今さら)写真に写りたがらないオーナー、店長?まあよくわからないけど「クロンボのおじちゃん」が言うには、ゴールド街の同じく復活希望喫茶「可否茶館」(可否をコーヒーと読むって今日初めて知ったんだけどww)のおじちゃんとは今でも仲良しで、阿佐ヶ谷にて再復活の話もあるらしいんだってさ!

どーりで↑の看板を改めて見ると「高円寺店」という文字が!高円寺にそのまま阿佐ヶ谷にもできるってますますS・A・I・K・O・U!最高と書いt(ry)
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あーあ。美味しかったー。今度はカレー食べようっと。あの
「ガラムマサラとかなんとかスパイスを100%無視した日本のカレーライス」
だけどやっぱり残ったライスにのりたまかけるんだよね。

いつも俺が首相に訴えたい
「カレーライスのルゥ半がけオイたりねーだろコノヤロ問題」がのりたまの存在で全て解決!!首相選に出馬したら応援しちゃう。


そんなわけでクロンボ閉店に枕を涙で濡らす夜を過ごしていた皆様、安心してください。

クロンボはここにいます。

懐かしいお母さんのごはんの味、それでいてお母さんみたいに愚痴やお説教は言わないし。
「最近飲み過ぎじゃないの」とか「そろそろ結婚を」とかさ。

だけどあれだよね、不思議ことにお母さんが出したごはんて残せないよね。ハンバーグの横のサラダやへんな甘いニンジンも。
「なんだよこれ、いらねーよまじ」
とか思いながらもなぜかきれいに食べちゃう。
お弁当に入ってるぬるいミニトマトとか。

そんなわけで「中央線野菜に一切興味ありません同盟」である俺も今回はナポリタンの横に鎮座する黄緑の存在まで穏やかな笑みを浮かべつつソースをかけてきれいにいただいたのでした。

めでたしめでたし。

あ、今回は女将とか呼ばないよ。考えもしなかった。だってお母さんのごはんだもん。

女将に会いたい人は
次回を待て!!!