島根に行きました。
出雲と松江と玉造温泉。

出雲空港はなんと、出雲縁結び空港となっていて、
そこら中、「縁結び」だらけ。
食べ物屋さんに入っても、300円とか760円じゃなくて、
300縁、760縁と書いてあるのです。
独身女二人旅なもので、恥ずかしいやら、笑っちゃうやら。

縁結びと並んで島根でよく見かけるのは、小泉八雲です。
八雲が紹介した怪談の場所を巡るツアーがあったり→ゴーストツアー
銅像やレリーフ、紹介文が町中に沢山。


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(松江観光公社公式サイトより)

ツアーには行かなかったけれど、八雲が紹介した大暴れする亀の像は見に行きました。
ここは、松江の月照寺。
歴代の松江藩主が眠る菩提寺です。
六代藩主の墓所にある大亀は、夜な夜な松江の町へ下りては暴れ回ったのだとか。

住職が「なぜそのようなことをするのだ」と問うと、
「わたしも自分を止められないのです」と亀。
そこで住職は、大きな石碑を甲羅に打ち付けたのだそうです。※

なんだかかわいそうな話ですが、「ほほぅ」と思ってしまう。
こんな面白い話や背筋が寒くなるような怪談話を沢山集めた小泉八雲ですが、
松江にいたのはたった一年だったそうです。
でも、変化に富んだ町並みを持ち、伝説の多く残るこの町を愛しました。

それともう一つ、八雲がこの町を気に入った理由がありました。
八雲がいた当時から、牧場のあった松江では、牛乳や牛肉を食べられたそうなんです。

日本の文化や伝統を愛した八雲ですが、食に関してはとても保守的だったとか。

どんなに外国に慣れ親しみ、そこに骨を埋めることになっても、
なかなか舌の記憶からは自由になれないものかもしれません。

東京の街にも、沢山の外国料理のお店があります。
新大久保のように、一つの国の料理が集まっている街も。

よく買っている『東京人』の11月号に「チャイナタウン神田神保町」の文字がありました。
日清戦争終結後から昭和初期にかけて、この街には沢山の中国人留学生が集まり、
その胃袋を満たす中国料理の店が沢山できたのだとか。

この号に出てくるのは、孫文や魯迅、周恩来といった中国を代表する有名人たち。
その時代を象徴するように、内容は政治的すぎるけれど、食の特集はほっとします。

今も残る神保町の名店の料理の数々が、その歴史とともに紹介されています。
新世界菜館
源来軒
揚子江菜館
ヰートポーヅ

あ、、だめだ。お腹空いてきた。
さっきたらふく食べたばっかりなのに。


※月照寺の大亀には種々の伝説があり、紹介したのとは違うものもあります。