「結婚できるだろうか?」と不安に焦りつつ、
「それでも一人用のマンションは買っておこうか?」と悩む無難な男女ばかりが住む中野坂上。
その駅の大江戸線車内で
まさかの”トキョめきガール”と会った。

ボクは打ち合わせに行くために大江戸線で六本木に向かっていた。
そこで、気だるそうな態度でつり革につかまっている女子高生が目に入る。

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最近、ハマリつつある本田翼(だいぶん好き)が煮崩れしたような顔だ。
そんなもんだから特に気にもせず、文庫に目を戻す。
すると、視界の隅でローファーのつま先がチロチロしはじめた。

その女子高生が右足のかかとに体重をかけて、
つま先を浮かせてチロチロしているのだ。

まさかの”トキョめき”の瞬間である。

女子高生が気だるそうにつま先を浮かせてチロチロするって姿を想像してみてください。
モラトリアムの象徴のような風景ではないでしょうか?
ボクはそのつま先と地面の間に頭を滑りこませたいと自然に思った。
踏むか踏まれないかくらいの感じでチロチロされたい!

でも、ボクはそれ以上、彼女を見る事ができなかった。
女子高生をずっと見ると社会的に非常にまずい事態になりかねないし、
貴志祐介を読んでいる時はあまり他のことをしたくなかったから。


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