古風な千鳥破風を構えた入口、しかし中に足を踏み入れると
かわいらしいドーム型の天井が入浴客を出迎える。
脱衣所との境にはアラビア風女性の擦り硝子、
これは昭和30年代、高度成長時代の銭湯建築ラッシュの際にも、
建てられた銭湯に多く見られる様式だ。
古風な銭湯が未だ多く残る武蔵野市だが、三谷湯は戦後の最盛期でも、
少し後発として創業したものかもしれない。

浴室の中央部には、見なれない大きな山が描かれていた。
黄や緑の濃い画風に辛うじて早川氏と分かったのだが、
北海道は大沼の風景、しかも中心の巨大な配置というのは
東京でおそらく初めて見たのではないだろうか。
ふつう描き替えは数年間隔でするものだが、どうやらもう10年以上前に描かれたものらしい。
見慣れた氏の絵と少し画風が異なるのも、そのせいではないかと思われる。

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○ 三谷湯
住所 武蔵野市西久保2-27-15