池袋から、西武新宿線に揺られることしばらくの清瀬市。
都心からもだいぶ離れてもう数駅行けば埼玉の所沢、
東京もいよいよ端の端へやってきたというのに、
よくもこんなに勇壮な銭湯が平成の世に残っていたものだ。
 
粋な武家屋敷風の漆喰の外壁、しっかりと懸魚を構えた古風な千鳥破風。
折上げ式の格天井は伝統的な寺社の建築方法に通じるもので、
古き良き東京型銭湯が多い都区東部の下町でも見かけることの少なくなってきた貴重な様式だ。
しかも清の湯に関してはかの日光東照宮を建てた宮大工、
その末裔が棟梁として手掛けたものだというから、女将の思い入れもことさら強い。
 
 ウチの天井は、”鳴龍”みたいには鳴かないけどねえ-
栃木の出身という、お話し好きな女将。
しかしこの日の出会いが、私にとってはそのまま清の湯との別れになってしまった。
  
kiyonoyu_07
kiyonoyu_03
kiyonoyu_06
kiyonoyu_05
kiyonoyu_02
kiyonoyu_01

○ 清の湯
住所 東京都清瀬市松山1-13-20
※ 2009年廃業