オシャレで年収があってヒゲを小粋に生やした男と
ちちくり合う事しか考えてない女しか歩いていない表参道。
そこで、まさかの”トキョめき”と出会った。

ボクはまた心と身体(一方的に)のオアシスである「A to Z cafe」で空き時間を潰すことにする。
この日はがっつり5時間の空き。
気まずくならないために”魚のランチ”(たぶん1000円)を食べて、せめてもの場所代を払う。

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そして、ボクは一人でも女子の目を気にして食事をするので
まず、お味噌汁をずずずっと飲んで、ごはんを食べて、お刺身をつまんで、メインを食す。
自分の中ではこれを”ゴールデンZ食べ”と呼んでいる。
しかし、これを見てくれた女子は今のところ一人もいない。
悲しいから、最後の方にはごはんを何杯もおかわりして食べ方なんかどうでもよくなってくる。

そんな時、女性が一人手ぶらで入ってきた。
うるわしきワンレン。
すらりと伸びた手足。
170センチはあろうかと思う長身。
冨永 愛をやわらかくした感じだ(最高だ)
ボクはもちろん、窓の風景を見つつも彼女を見る。
茶色い革のブックカバーをつけた文庫を読み始める彼女。
アイスコーヒーを運んできた店員さんに軽く会釈する彼女。
画になるのである。

そして、ストローがささったアイスコーヒーに口を近づけて飲もうとする。
上唇に軽く当たるストロー。
くるりとまわってストローの先はあらぬ方向を向いた。
彼女はエサを欲しがる鯉のように口を近づける。
その瞬間はまさにスローモーション。

トキョめきの瞬間である。

スキを見せなかった彼女が魅せたスキ。
すごく間抜けな顔だったが、ストローにクルリンパ逃げられる彼女はステキだった。
さらに、それを隠そうと一瞬周りをチラ見した所も。
「はあ、ブルーレイに収めてずっと見ていたい」

でも、ボクはそれ以上、彼女を見る事ができなかった。
早く仕事をしなきゃだったし、
良い加減、彼女がボクに気づきはじめたような気がしたから。


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