岡山藩や備中松山藩の外港として、江戸時代から栄えた倉敷市・玉島。
水運を背景とした物資の集散地、現在でも市域の中南部に残る古い町並み。
倉敷市街の美観地区ほどではないものの、県内では有数の観光地。
休日ともなれば、往時の記憶を求める散策者の姿をあちこちで見かけることができる。
 
だが古態というのは裏を返せば、開発に取り残されたことを意味する。
旧市街地はもとが埋立地なだけに、進むばかりの地盤沈下。
流出する人口、低下するは都市機能。
それでも時代に抗い数軒の銭湯が営業を続けていたが、ここ半年で続けざまに廃業。
かつて生活の証であった銭湯の灯は、玉島から完全に姿を消した。
往時の賑わいぶりを語る、港湯の店主。
止むことのない思い出話、だがその合間に見せた悲しげな表情を、私は忘れることができない。
 
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○ 港湯
住所 岡山県倉敷市玉島中央町1丁目8−28
※ 2010年末をもって廃業