どうやら、幕末のころからあるみたいだなあー

京への旅の道中、立ち寄った大津の小町湯で店主が話した。
驚いた。たしかに大津でも一際古風な木造銭湯、だがその歴史たるや、江戸時代まで遡ろうとは。
現主人は、明治の創業と考えていたようだ。それでも、現存する銭湯としては全国有数の老舗。
だがお父上の話によれば、近所の寺の古文書には小町湯の名が、少なくとも幕末には確認できるという。

 
それにしても、一地方都市でしかない大津にこのような古銭湯が残っていようとは。
まてよ、目の前は国道1号線- そうだ、ここは旧東海道。
街道筋は古くから栄えた場所が多いから、小町湯の歴史も不思議ではない。
東海道53次、江戸から数えてまさに53番目となる大津宿。多くの旅人は、ここで長旅最後の夜を過ごしたことだろう。
 
そして次は、終着地点・京都。長い旅の道中、風呂屋には幾度も入ったろうが、
いよいよの都入りに心躍らせ、小町湯で一際念入りに身支度を整える旅人たちの姿が目に浮かぶ。
自身の旅においても、翌日は修学旅行以来となる京都入り。
洗髪中にも無意識に鏡を覗き込んでしまう心は、21世紀の旅人であっても変わらない。
 

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○ 小町湯
住所  滋賀県大津市逢坂2-1-17