奥沢に豊川稲荷があります。

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電車からも見えます。 
あの小ささはお稲荷さんだろうなと
思ってはいたのですがやっぱり。
[豊川稲荷]という石碑が立っていましたから
愛知県の豊川稲荷から勧請したものだと思います。

勧請(かんじょう)というのは
神様や仏様にお来しくただくことです。

中には白いきつねがいっぱいいました。

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【豊川稲荷】は曹洞宗(禅宗ですね)のお寺です。

稲荷信仰にはもうひとつ
【京都伏見稲荷大社】があります。
こちらは神社です。

さて、お稲荷さんというと、
きつねを祀っていると思っている人、いませんか。
きつねは神様のおつかい=眷属(けんぞく)です。
じゃあ、いったい誰を祀っているのでしょうか。

ウカノミタマ(倉稲魂)というかた。
聞き慣れない名前ですよね。

でも、この人、超有名人なんです。
なんと、伊勢神宮の外宮(げくう)に祀られている
豊受大神(トヨウケ ノ オオカミ)です。

伊勢神宮は知ってますか。
あの天照大神(アマテラス オオミカミ)
祀っているお宮さんです。

じつは私は今、
小椋 一葉(おぐら かずは)という人が書いた
『消された覇王』と『女王アマテラス』
という本を読んでいます。

小椋さんの説によると、大物の神様は
名前をたくさん持っていると言います。
それによれば、
トヨウケウカノミタマ
ニギハヤヒ(饒速日)だっていうんですね。

ニギハヤヒもよく知らないのに
そんなに大物なの?

大物なんです。
だって、素盞嗚(スサノオ)の子供なんですもの。

スサノオ

その名前はみんな知っていると思います。
古事記ではアマテラスの弟として描かれています。
乱暴者のくせに
「おかあさんに会いたいよぉ」と言って泣いたりする。
あのキャラの定まらない人です。

でも、あれは全部ウソ。
スサノオはもっとどっしりした人物で、
アマテラスとは夫婦だったようです。

ここでもっとびっくりな情報を。
アマテラスというのは、ヒミコ(卑弥呼だったんです!
あの『魏志倭人伝』に出て来る。
もうびっくりです。

さらに驚くことに
トヨウケヒミコを継いだ二代目の女王でした!

ちなみにスサノオは出雲(島根県)の出身です。
出雲をまとめた後、九州へ飛びました。
ここで邪馬台国をつくったのです。

この辺のことは来週書きます。

♥・・♥

これは小椋説ではありませんが、
トヨウケニギハヤヒでもあり、
スサノオでもあるんだそうです。

スサノオは稲作を広め、
日本酒をつくって国じゅうに広めました。

古事記や日本書紀を書き換えたのは
藤原不比等(ふじわら の ふひと)です。

稲荷社はどこにでもあります。
ウチの近所にもちょっと歩いただけで
たくさん見つかりました。
これは来週紹介しますね。

たぶん、正史は書き換えられていても、
みんななんとなく分かっていたんじゃないでしょうか。
誰がこの国をつくったのか。

そして何よりみんなの好きな
お稲荷さんです。

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私はスサノオってお稲荷さんみたいな人
だったんじゃないかと思ってます。
包み込むようにあったかくて
甘くて優しい。
けれど、稲荷社の狛犬ように威厳のある。
卑弥呼も始めは恐れていたようですが、
やがて男として魅かれていったようですから。