数年前に行った京都でのこと。
鴨川に架かる橋をタクシーで通りながら、
川縁を歩く鷺を見ていたのです。
すると運転手さん、
「鷺は寂しい鳥です。いっつも一羽でいますわ」と。
運転手さんの言い方は、どこか突き放したような、
「けったいな」とでも言いたいような口ぶりだったけれど、
私は「いいなぁ」と思いました。
群れたりしない孤高の美学を感じさせる姿は、
権力におもねらない姿にも思えます。
などという私の幻想をぶっ壊すようなお話があります。
この後鷺は、大人しく捕らえられて、帝のお褒めにあずかるのです。
六位の者の言いなりにはならぬが、帝の詔を聞き入れた。
「あっぱれだ」と。
鷺には五位の官位が与えられたのでした。
だから、ゴイサギなんですって。
このお話が元になって、能の「鷺」という演目も創られたのだそうです。
今日の舞台は、ここにしましょう。
竹橋の国立近代美術館
時々企画展を観に行きますが、常設展示がいいのです。
今日の主役、「星五位」(上村松篁)という作品がありますよ。
後巷説百物語 (角川文庫)
著者:京極 夏彦
角川書店(2007-04)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
お能の話題が出たので私のアホみたいな写真コレクションから2枚。
いったい誰が買うんでしょうか?


鴨川に架かる橋をタクシーで通りながら、
川縁を歩く鷺を見ていたのです。
すると運転手さん、
「鷺は寂しい鳥です。いっつも一羽でいますわ」と。
運転手さんの言い方は、どこか突き放したような、
「けったいな」とでも言いたいような口ぶりだったけれど、
私は「いいなぁ」と思いました。
群れたりしない孤高の美学を感じさせる姿は、
権力におもねらない姿にも思えます。
などという私の幻想をぶっ壊すようなお話があります。
昔。
帝が神泉苑に行幸された時のことでございます。
ふと目を遣ると。
池の端に人影が見えるので御座います。
これは怪しきことぞと、帝は目を凝らされました。
善く善く見れば、それは人ではありませんでした。
大きな、大きな、青鷺だったので御座います。
そこで帝は、六位の官位の者を呼び、捕らえるように令(いいつけ)たので御座います。
勅令を受けました六位の者は、早速鷺を捕らえに参りましたが、中中捕まるものでは御座い
ません。
そっと近づこうとも、威嚇しようとも、鷺はつうと逃げてしまうので御座います。
〜中略〜
そこで六位の者は鷺にこう申しました。
宣旨なるぞ、と。
帝のご命令であるから動くなと、こう申したので御座います。
鷺は。
ぴたりと止まったので御座います。(以下略)
京極夏彦『後巷説百物語』「五位の光」
この後鷺は、大人しく捕らえられて、帝のお褒めにあずかるのです。
六位の者の言いなりにはならぬが、帝の詔を聞き入れた。
「あっぱれだ」と。
鷺には五位の官位が与えられたのでした。
だから、ゴイサギなんですって。
このお話が元になって、能の「鷺」という演目も創られたのだそうです。
今日の舞台は、ここにしましょう。
竹橋の国立近代美術館
時々企画展を観に行きますが、常設展示がいいのです。
今日の主役、「星五位」(上村松篁)という作品がありますよ。

著者:京極 夏彦
角川書店(2007-04)
販売元:Amazon.co.jp
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お能の話題が出たので私のアホみたいな写真コレクションから2枚。
いったい誰が買うんでしょうか?


「ゴイサギ」って変な名前だなぁって思ったら、そう言ういわれがあるんですね、
でも、いきなり五位とは大判振る舞いですね。
従五位と正六位では物凄い開きがあるんですよ。
従五位から上はは貴族の位。
まぁ、鷺にとってはなんのこっちゃでしょうけど・・・
日本人は常設のものを大切にしない傾向がありますよね。
本来は常設に力を注ぐものですが、おざなりにされてるきらいがあります。
だから常設の物を一切持たないって言う美術館が生まれている。
それは東京って言う立地とニーズでは現れてきても不思議ではないけど、なんか違うって気もします。
能面チョコ・・・閃いた!これ、自分の顔で作って彼にプレゼントとかどうですか?!
(笑い)