12月、坊主も走り回る師走の時期に入ると、ふと気になるメロディ♪があります。
言わずもがなベートーベン作曲の「第九」ですね。
第4楽章の主題は「歓喜の歌」としても親しまれています。
そんなこんなで、銀座にもベートーヴェンがいると聞きさっそく会いに行った次第です。
場所は7丁目の「喫茶ウエスト」。
天然素材にこだわってつくられた洋菓子と珈琲、
心地よいクラシック音楽で知られたミュージックサロン、創業63年目の老舗です。
その昔は、解説者がいてクラシックレコードを流す店でした。今でいうDJですね。
レコードといってもSP盤の78回転物、床に落とすとパリンと割れちゃうあの円盤です。
プレーヤーは高価なため、みんなクラシック喫茶へ行って音楽を聴いていたのですね。
店内の左側には、SPレコード棚のケースにお宝がぎっしりと。
噂によるとコレクションは1000枚以上とも。
店の奥に巨大なベートーヴェンの胸像が置いてあるのは、そのころの名残なんですね。
そこそこの広さの店内は、52席ある茶色い椅子、テーブルには
糊の効いた真っ白なテーブルクロスが敷き詰められています。
ものの記事によると、毎日ピチッと決められた仕様で二人がかりで敷くそうな。
飾られた生花も和み、ゆったりと時間が流れていきます。
間違っても、ここウエストでノートパソコンなんかを広げてはいけません。
もちろん携帯もi-phoneもダメダメざんす。
まったくもってデジタルの似合わないお店なんですから。
ブレンド珈琲840円は、ちと高いと思うかもしれませんが、
何杯でもお代わりができるのでCPもよろし。
というか、このウエストで珈琲1杯の時間で出ていくだなんてもったいのうございます。
わたくしウソが珈琲のお供にオススメするのは、まこと正統派の玉子サンドイッチ。
ほ~ら端正な姿をしているでしょ。
前回の玉子サンドイッチコラムの「はまの屋」では関西風の厚焼き玉子でしたが、
今回のウエストはお馴染みの関東風玉子サンドイッチです。
日々変わりゆく銀座の中にあって、まったくかわらない景色の喫茶ウエスト。
師走のせわしないランチを、至極の珈琲と玉子サンドで暫し優雅な時間に。
【洋菓子舗ウエスト 銀座本店】
◎中央区銀座7丁目3-6 電話=03-3571-1554
◎営業時間=月~金 9:00~23:00 、土日祝 11:00~20:00
ウエストの中ってこんなに渋いんですね。ミュージックサロンであったとは。ただの洋菓子屋さんだと思っていました。不勉強でした。
職場が変わり銀座が遠のいてしまいましたが、やっぱり行きたい喫茶店のひとつです。