20101205_nikotama_02

季節外れの嵐も過ぎ去って、とても穏やかな週末でした。都内では昼間20度近くまで気温が上がり、10月ごろの陽気となったようですね。僕はひさしぶりにゆったりした週末、洗濯物を干したりゆるく昼ご飯を作ったり、自転車で散策に出かけたり。

その最中、ニコタマ界隈で見慣れない光景に出合いました。澄んだ冬の空に、高く掲げられた籠ひとつ- なんでしょう、これ。農作業のお婆さんが背負ってる、あれでしょうか。東京じゃあ、まず見ない光景です。うーん、僕のおばあちゃんがいる栃木の田舎でも、もうめったに見ないよなあ。

おや、近くに説明書きがありました。なになに、"コト八日"?どうやらこれは、日本の伝統的な行事のようです。毎年12月8日、もしくは2月8日になると、村々を訪れる妖怪たち。"メカリ婆さん"、"ダイナマコ"、地域によって違うけど、このあたりでは一つ目小僧になるのかな。ずけずけと家の中に入ってくる彼ら、それを防ぐのが、この籠の役目。彼らはこの籠の網目- その"目の"多さに驚いて、逃げ帰ってしまうんだそうです。じっと見上げていると、たしかに無数の目玉に睨まれているような威圧感を感じます。へええ、昔の人はほんとにいろんなことを考えたものですね。

飾られているのは、おそらく8日まで。ニコタマで一番ニッポンの四季を感じられる、岡本のあの場所です。お近くの方は、ぜひ一度見に行ってみてくださいね。日本人が忘れつつある心を、思い出させてくれるかもしれません。