拝啓

週末に父親に会い、じつは私がのんきに光GENJIのおっかけをしていたころ、父は思うところあり転職すべく面接をうけていたことを生まれて初めて知り、リアル山田太一を味わう昨今、

みなさまにおかれましては、ますますご清栄のことと存じ上げます。

前回は「わびさび」の「わび」とは何ぞやを勉強いたしました。
本日は「さび」をしゃべり場しましょうぞ!

再び鈴木大拙SENSEI「禅と日本文化」によれば、

 

「慣例的な法則から孤絶することが予期せざる快感を

心中によびおこす。


美とはかならずしも形の完全をさしていうのではない。

不完全どころか醜というべき形のなかに、美を体言することが日本の美術家の得意の妙技のひとつである。

不完全の美に古色や古拙味(原始的無骨さ)が伴えば、『さび』があらわれる。」

ふ、不完全、萌え~~!!

 

千利休さんは、川でびんぼーな漁夫が腰にさげていたカゴ「魚籠(びく)」に猛烈なSABIを感じ、

利休「あんたが腰にかけてはるそのカゴ、ゆずってくれへんか?」

 

漁夫「ええ!?これは、オヤジからもろた古いカゴでっせ。利休はん、こんな汚いカゴ欲しいんでっか?なんなら新品つくりますさかい・・」

 

利休「そこがええんや。寂びっちゅうもんやで。はよよこせや!次の茶会で会う秀吉さまをおどろかせてやるわい!がはは!」

 


と、漁夫さんが長いことつかっていたズタボロ左右非対称のSABIカゴをゲット、

茶会でかざる花を入れる 掛花入(かけはないれ)にしたといわれております。

 


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▲桂籠花入


こうして、

「侘びさび」に高い価値をおき、

ボロ道具にしか出ない味わいこそ貴重やで!!!

!自分、この茶碗に1000万だせや!!!!と

千利休さんは戦国武将に取引していったのであります。

 

現代におきかえれば・・・

 

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写真撮影/pingpongdasher(910ryu)

 

写真は、私が小さいころおじいちゃんちでつかっていたプラスチック食器です。

おばあちゃんが孫が喜ぶかなあという清き心で買ってきた食器。

 

なんど洗っても落ちなかった印刷の風合い。

ちょいと汚れたへりの味わい。今もおじいちゃんの朝食の食パンが乗っかるなじんだ感じには、

にゃんともいえないSABIがありんす。

 

今はテレビから姿を消したNHKこども番組の古いキャラクター、

焦点があってない風な表情には時流をこえたSABIがある!!!とでもいえましょうか。


そうです!何も高い骨董品を買うだけが

茶道ではありますま~い!

あなたがビビッとWABISABIを感じた美しいものを

集めれば利休の茶道は継承されるのであります!


・・・ちなみに、当時の朝鮮の方は、斬新過ぎる利休の価値観が

理解できず「こんなボロ茶碗のどこがええんじゃ!ガハハ」と笑っていらっしゃったそうですww

 

茶道具のコツはつかんだ!?次は茶会が開ける場所をさがしましょうぞ!
次回、利休がプロデュースした茶室のすごさにせまります!


毎月第1・第3水曜日朝9:10に更新!!!!
今後ともご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。

敬具

文責/pingpongdasher(910ryu)

 

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