「試みに東京の舗装道路を、どこといわず掘ってみれば、 確実に、ドス黒い焼土がすぐさま現れてくるはずである。」 ・・・てのは、『麻雀放浪記』の冒頭ですが。 以前うちの会社は、渋谷マークシティ内で「渋谷の文化・ 歴史」を展示するイベントをやったことがありました。 そのときに、渋谷区の成り立ちを色々と調べて気づいた ことがあります。 元々は東京の外れの、割とノンビリした田園地帯だった 渋谷は、関東大震災をきっかけに、10年くらいで突然 いきなり大都会になってしまった街なのです。 戦争で一度ぶっ壊れたけど、今度はまたオリンピックで さらに発展して変化し続け、休むことがありません。 そんな渋谷からほんのひと駅…同じ渋谷区内。 時代が「変われ!」と言ってるのに「ま、そのうちね」 とでも言わんばかりに、わが道を往ってきた街・恵比寿。 昔は住民感情が非常に保守的で、とにかく新しいものを なんでも拒否するため「反対村」というアダ名がつけら れてたそうです。 さすがに、最近は個々に新しいものも生まれていますが、 渋谷とは全く違うDNAが、今もあちこちに残ってます。 カレッタとかオアゾみたいなのは、絶対出来ないだろう なという空気は、いまも健在です。 そんな空気を、この街の建物のスキマ、街路の奥、人々 のひそひそ話などから拾っていきたいと思います。 ときどき、広尾、白金、代官山、目黒あたりまで足を 伸ばすことがあります。 ※写真はみな恵比寿の風景です・・・が、 並べてみたらキモかった・・・