中杉通りを挟んで、JR阿佐ヶ谷駅の反対側にあるのが、
ドラッグストアや靴屋、食堂などが数軒入っている高架下のショッピングストア「ゴールド街」。
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食堂の店先には、20年前から変わっていないような古ぼけたサンプルが並び、
営業している店よりも空き店舗のほうが多い、昭和から時が止まったような寂れたテナント街。
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そのゴールド街の2階に、居酒屋「葉山房」はあります。
店内には、金魚やカエルが泳ぐ水槽、ボンボン時計、お面、灯篭、人形、絵画など、
なんだかよくわからない、古道具屋で買い集めてきたようなものが、所狭しと
飾り付けられている。
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店に入り席に着くと、マスターが、まずアツアツのおしぼりを手渡してくれる。
まず、キリン一番絞り瓶ビールと、しめさば、コロッケをオーダー。
「よおーし!一番のぉ、絞りとぉー、しめさばとぉー、コロッケ!!しめコロだぁー!」
こんな、マスターのちょっと独特で奇妙なテンションが、常連客の間でこよなく愛されています。
そして、お通しをレンジで温めている間も「えーっとお、お通しが2丁とぉー。
それから、まずはー、お通しをやんねえとなぁー!」
と何やらずーーっと独り言を言っています。

このお店にはじめて来た人は、マスターのほかにも奥の厨房に従業員がいて、
その人に話し掛けているのかと思うらしいのですが、そうではなくて、ずーっと
マスターが一人で叫んでいるわけです。

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マスターのテンションが上がるにつれて、声のトーンもMAXに。
「よおーし、今日はレコードかけちゃうかぁー、よおーし、高橋真梨子だぁ!!」
そんなマスターの独り言を聞いているだけでも和める、アットホームなお店です。

そして、食べ物も飲み物もとってもリーズナブルです。
メニューにも500円以上のものはほとんどありません。

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私のお気に入りは「コロッケ」。バターが効いた柔らかくてなめらかな食感。
何も付けずにこのまま食べても全然うまい!

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あとは、「鶏のから揚げ」。この日は、鶏以外にもゴボウとかレンコンの揚げたのも入っていました。
ちょっとカレー粉を効かせたスパイシーな風味で、ビールが進みます。

この日ほかに頼んだのは、「冷や奴」(絹ごし豆腐まるまる一丁分)。
「しらすおろし」。これにビール一本と熱燗2本で、お会計は2人で3700円くらい。
なんと、1人2000円いかないんですよー。安い!
お手ごろ価格のお店が多い阿佐ヶ谷のなかでも、安くておいしくておすすめのお店です。

「葉山房」は、たまに不定期の長期休みに入ることがあります。
昨年は年末からお休みで、1月中旬になってもまだお休みのままで、
再びお店が再開したのは7月の頭頃だったような...?
葉山房ファンとしては、「もしや閉店してしまったのでは?!」と心配しましたが、
マスターには、このままマイペースにお店を続けてほしいものです。

しかし、この日、常連さんとマスターの会話に、ただならぬ情報を盗み聞きしてしまいました!
なんでも、このテナントはJRの管轄で、近々、全面改装の話が出ているのだとか!
さらに、工事期間の1年間の家賃保証はなし。改装後は家賃が3倍になるとのこと。
「そんなんじゃあ、うちみたいな店はやっていけないよー」と嘆くマスター。
常連さんも「そんなのおかしいっすよ!!」と激しく憤っています。
どどどうしよう!葉山房存続の危機です!!

そんな訳ですので、これを読んだ方は一刻も早く葉山房まで足を運び、
ぜひマスターに励ましの言葉をかけていただくようお願いいたします。

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入り口では鳥とハムスターがお出迎えしてくれます。