ビートルズで言うとジョージ・ハリスンが好きです。
アサヒスーパードライのCMで
ジョージの歌が流れているのが時々聞けて
とても心地いいんです。

六月は個展、実は七月にもグループ展をやっていたため、
いま仕事に追われて、ちょうど嫌気がさしているところです。


王子にもう一つある赤レンガの話。
明治37年に北区滝野川に設置された醸造研究所跡



平成7年に施設は広島に移転するも建物は保存された。
現在は酒類総合研究所となっており内部は見学できない。


家の近所にはもう一つ。この醸造所とよく似た意匠を備える建物がある。

現在の十条、板橋一帯に明治時代に設置された旧陸軍の東京第一造兵廠と呼ばれた工場は、
このblogで紹介した、大正8年に建てられた一棟を最後に残していた。

この場所は銃弾を製造する工場だった。

戦後も戦争の歴史を負っている。
GHQに接収され、朝鮮・ベトナム戦争の時には、
武器修理工場として機能していた。

昭和33年、日本へ返還され、
赤レンガ工場群は、自衛隊の十条駐屯地をはじめ、公園、学校、宅地へと
姿を変えたが、この一棟だけがいささかぞんざいに今日まで残された。

そして、それも今月から取り壊し。

さて、今日紹介した醸造所の設置はさらに十年以上も古いが手入れは行き届いている。
戦後も使われ続け、一度取り壊しの議論は持ち上がったものの、
取り壊される事なく今後も活用されるだろう。

僕の街の二つの赤レンガの明暗を分けたのは、歴史だと今、確信している。

戦争というアジアやアメリカの人命を
たくさん奪った苦い歴史の証人の存在を、
未だに、この街は認めたくないのだろう。

学生運動が盛んだった団塊世代が今、
社会の裁量を握っている。

戦後世代が多勢となった今の時代、
明治の近代化の礎としての功績と
軍事や政治が常に直面する罪悪とどう向き合うべきかを
今に伝える貴重な資料ではないかと
歴史を掘り返すごとに思えてならない。

取り返しのつかない事を今、
目の当たりにしているかと思うと
本当にめまいがする。