名古屋へ旅に出たふたつ目の理由が、「あいちトリエンナーレ」を観ること(ひとつ目の理由はこちら)。

美術館などの施設だけでなく、ビルや民家など、都市全体を展示会場とした街ぐるみの芸術祭。日本では横浜や妻有(新潟)などで開催されてきたが、愛知(名古屋)では初めて。
今回は都市のど真ん中での開催なので、「まちなか」のアートめぐりが一番の楽しみ。 メインで見た会場は「長者町問屋街」という商店街。雑居ビルの中のコンクリート空間、商店の中の台所や和室など、ごく普通の日常風景のなかに、アーティスティックな作品や空間が次々と現れる。この日は強い雨が降っていて、ビルを出ようと思ったら傘がない!ということでスタッフや他のお客さんと会話を交わしたりする。
たまたま同じ場所にいた、アートという非日常を共有している人たちと触れ合うことで、街や人に近づける。これがこの芸術祭の醍醐味のような気がした。

アートめぐりの締めくくりは、「ATcafe」という、トリエンナーレ期間のみ開かれているカフェへ。
ATcafeのコンセプトは、「おいしい飲み物とちょっとしたおやつで、人とアートをつないでいくカフェ」。まさに、この芸術祭にふさわしいお店だ。 トリエンナーレは閉会が迫っていて、カフェはもう3ヵ月以上営業しているから、期間限定とはいえ、街にしっくり溶け込んでいた。

アートカフェだが奇抜ではなく、シンプルで落ち着く内装。だけど照明はトリエンナーレのポスターに載っている作品を制作した草間彌生さんのデザインだったり、ロゴ入りキャンディやプリンといったオリジナルメニューが販売されていたり、作家もののアート作品を販売していたり、遊び心はいっぱい。
提供されるコーヒーは、サスティナビリティコーヒー(自然環境や人々の生活を良い状態に保つことを目指して生産・流通されているコーヒー)である。ちょっと難しいけど、コーヒーを飲んで地球環境に貢献しよう、ということらしい。こういう細かなところにも意味を持たせているところが良い。

店内にあったあいちトリエンナーレ特集の「美術手帖」を購入し、反芻する。
初めて訪れた名古屋、ほんの2日間の滞在だったけど、喫茶とアートを媒体として、身近に感じることができた。 

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ATcafe
愛知県名古屋市中区錦2-10-30-1F
052-222-7210
2010/7/17~10/31の期間限定営業
http://atsc2010.com