平日の夜、浅草で友人たちと待ち合わせる。

地下鉄浅草駅から階段を上がる。地上に出るとすぐ、八百屋の前でほおずきが売られていた。商店街の店の前には提灯が下がり、家々の軒では風鈴が揺れている。菓子屋や料理屋の多くはもう閉店している時間だったが、祭りの余韻のような、夏の日の余韻のような、そんなわくわくする余韻が町を覆っていた。

待ち合わせの雷門に近づいていくと、友人から、ちょっと遅れるというメール。時間潰しのために、雷門を抜けて浅草寺まで行き、左に折れ、伝法院通りで喫茶店を探すことに。
遅い時間だったが、通りから少し路地に入ったところにある「ローヤル珈琲店」というお店が開いていた。 外から焙煎の様子が見え、その左脇に入口がある。入ると奥にけっこう広い。
奥の壁が鏡になっているのでさらに広く見える。ラブホテルを思い出す。変な意味じゃなくて、内装と光の感じが、なんだかとても落ち着くのである。

奥の席に座る。椅子はもちろん深紅の布が貼られている。体育会系の感じの良いお兄さんにブレンド珈琲を注文する。体育会系だけれど、お店にしっくり馴染んでいる。
砂糖とミルクをたくさん入れて(ミルクは濃厚だった)、コーヒーを飲みながら、友人たちからの連絡が来ないか携帯電話を気にする。これからまた浅草の夜を歩いて、大切な仲間たちとどこかのお店で美味しいお酒を飲む。わくわくしてくる。

日常の流れの合間に、喫茶店でコーヒー一杯。
しかもそれがこんな素敵な喫茶店だったら、その日は素敵な一日になる。    

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ローヤル珈琲店
台東区浅草1-39-7
03-3844-3012
9:00~21:00
無休