ふらりと入ったら、とても素敵なお店だった、というような喫茶店との出会いが一番良いのだけれど―そしてそんな出会いも少なからずあるのだけれど―喫茶店を見つけるのには、「本」にもかなり頼っている。そんなバイブル的な「喫茶本」を紹介したいと思う。

まずは「東京喫茶店案内 ぼくの伯父さんのガイドブック」。
喫茶店本といえば、沼田元氣氏の著書である。(ちなみに「喫茶店」と書いて「カフエ」と読ませる。)遊び心いっぱいの装丁に、ノスタルジックな喫茶店のグラビア。そして所々に、安野光雅、水木しげる、はな、カヒミ・カリィなど、味のある人選の面々が、喫茶店にまつわる文章を綴っている。
コーヒーの薀蓄は一切ない。写真と人々の喫茶店の記憶がたっぷり詰まっているだけだ。そしてそこが、まさに喫茶店そのものだと私は思う一冊だ。 

以下、「東京喫茶店案内」をはじめ、いくつか沼田氏の喫茶店本をご紹介。どれも、ページをめくるだけで、喫茶店特有の色や香りや時間を思い起こすことができる。そして、昔日本に、東京に存在していたたくさんの喫茶店について想いを馳せることができる。

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東京喫茶店案内 ぼくの伯父さんのガイドブック
2002年・ギャップ出版
著:沼田元氣

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喫茶店百科大図鑑 ぼくの伯父さんのスクラップブック
2002年・ギャップ出版

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ぼくの伯父さんの喫茶店学(カフェロジィ)入門
2001年・ブルースインターアクションズ

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喫茶遺産
2002年・平凡社