「横浜トリエンナーレ」に行ってきた。

横浜で3年に1度行われる、街全体を取り込んだ大規模な現代アートの祭典。映像やインスタレーションなど、さまざまな手法を用いた巨大で非現実的な空間が、倉庫やホールといった普段の場所に現われる。
こういう大きな展覧会は私にとって「楽な鑑賞」である。例えば知り合いの個展では、ついつい「どんな意図で作ったのか」なんてことを難しく考えてしまうのだけど、ここにあるのは、私の日々の暮らしから遥かに飛躍した理解不能なモノばかり。だから、なーんにも考えず、刺激を受けことができる。

とはいえ、やっぱりアートの持つパワーはすごい。ひと休みしようと、日本郵船海岸通倉庫の中にある「BankART Cafe」に行く。
カフェといっても、だだっ広い倉庫にカウンターが設けられ、適当に拾ってきたような椅子やテーブルが置かれた空間だ。コンクリート打ちっぱなしの壁。古いホテルにあるようなぜんぜんおしゃれじゃない椅子。スピーカーに板を渡し、布で覆っただけのテーブル。壁に掲げられた現代アート。店内に流れる不思議な音楽。 乱雑な空間だが、落ち着く。
なぜ落ち着くのか。きっとこの空間が、私と「同年代」だからだと思う。古いものを取り入れて新しく生まれた空間。古い喫茶店ももちろん好きだけれど、こういう場所は、同じ時代に存在する「仲間」みたいな感じがする。

このカフェは、「80km圏内の食材を80%用いた身近な安心ごはんを提供する」のがコンセプトだ。作品は感覚にまかせて鑑賞したけど、ここでは、「この時代に生きている自分に何ができるか」をちょっと考えてみる。

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BankART Cafe(日本郵船海岸通倉庫内)
横浜市中区海岸通3-9
045-663-4677