ソワレを出て次に向かったのは、「フランソア喫茶室」。

そう、喫茶店のはしごである。やっと叶った週末の京都旅行なんだから、胃が痛くなるま
で珈琲を飲んでやる。邪道でもいい。それほどまでに喫茶店を愛しているのである。

フランソア喫茶室は昭和9年創業。太宰治や藤田嗣治も通っていたという、京都を代表
する喫茶店だ。ナイーブな雰囲気のお店かと思いながら扉を開けると、意外にも明るい
空間が広がっていた。

通りに面した大きなステンドグラスから差し込む光が店内を包む。手入れの行き届いた
上品な店内、モスグリーンのワンピースを着たかわいらしいウエイトレスさんたち。
決してうるさくはない、ほどよく賑やかなお客さんたちのしゃべり声。お店の歴史に負け
ず、現代でもそのまま、京都の人々や観光客に親しまれているお店であることが、一瞬
にして解った。

珈琲と特製のクッキーをいただきながら、女友達の新しい恋の話を聞く。最近彼女は彼
に、渋谷の「名曲喫茶ライオン」を教えて貰ったそうだ。しかしその彼は、喫茶店なんか
全然興味がなさそうな人。そんな「ギャップ」も、ちょっとやそっとじゃオチない彼女が彼
に「オチた」理由のひとつだったのかもしれない。

京都に着いて喫茶店二軒、もう夕方近い時刻。しかも他愛もないおしゃべりばかり。でも
このお店は京都のここにしかないし、きっとこの瞬間、このときだからこそのおしゃべりな
のだと思う。
こんな贅沢な時間はない。

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フランソア喫茶室
京都市下京区西木屋町通四条下ル
075-351-4042 
10:00~23:00
無休