向島を散歩する。

電車が橋の上をゆっくり渡る。橋に交差する首都高速を、車が大きな音を立ててびゅ
んびゅん通り過ぎる。船がゆっくり川を進む。橋に立つ電灯のひとつひとつに、かもめ
がちょこんとのっている。
川沿いの遊歩道を歩く。イチョウが黄色く色づきはじめている。その下を、ワインレッド
のベレー帽をかぶった女の子が走っていく。

言問橋を渡り、「カド」という喫茶店に行く。昭和33年創業の老舗で、現在の2代目主
人がはじめたパンがおいしいと有名なお店だ。くるみパンのフィッシュフライサンドウィ
ッチと赤ぶどうのジュースを注文する。パンは、ふんわり、もちもちした優しい味だった。

店内は、先代が彫ったという精巧な木彫りの建具や、シャンデリアが似合う、素敵な
空間。そこにご主人が施した壁やテーブル、天井の花柄のトールペイントが同居して
いる。味もお店も2代共同のお店で、その努力とぬくもりが伝わってくるようだ。

しかし、店内に流れているのは「B'z」。年代からしても、ご主人が好きなんだろうなあ
と思う。花柄に囲まれたお店には大胆な組み合わせだけど、妙にはまって、なんだ
か強烈な印象で残ってしまった。

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カド
墨田区向島2-9-9
03-3622-8247
11:00~21:00
月休