喉が渇いたなあと思っていたら、赤羽駅前に「梅の木新館」という喫茶店を見つけた。

「新館」というのだから、どこかに「本館」があるはずだが、近くには見当たらなかった。
そんなに時間もなかったし、「新館」という響きに魅かれたので、入ることにした。

お店の壁一面にはポトスが垂れ下がっていた。テーブルとチェアは籐製で、どういう仕組
みになっているのか、天井から天使の人形が上がったり下がったりしている。
アイス・カフェオレとホットケーキを注文する。たまに無性にホットケーキが食べたくなる
ときがある。

隣の席には、老カップルが座っていた。老紳士は仕立てのいいジャケットを着て、婦人は
春らしい薄紫のカーディガンを着ていた。
婦人が踊りの稽古の話、昨日煮たたけのこの話をした。そして紳士は昨日の宴会で食べ
たたけのこと鰹のたたきとホタルイカの話をした。そしていつのまにか戦争の話になって
いて、三十五連隊とか、チンタオとか、そんな単語が耳に入ってきた。
夫婦かもしれないが、距離感を見ているとそうではない気がする。

しばらくして、老紳士が「お昼、食べました?ラーメンでも食べに行きませんか?」と言っ
た。その言い方に、なんとなく「青春」を感じた。

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梅の木 新館
北区赤羽1-2-9
03-3903-3793
9:00~22:00