仕事で新宿駅西口に来たついでに、思い出横丁の入り口にある「但馬屋珈琲店」に入る。

年季の入った木製の小ぶりの家具、窓辺に飾られた涼しげなガラス器たち。
ピアノ・ジャズが小さくかかっている。夏の似合うお店だ。

隣の席にベレー帽をかぶった老人が座った。ローズティーとアップルパイを注文し、待っている
間、小さく鼻歌を歌っていた。
こちら側を向いて斜めに座っていて、視線が気になってしょうがない。

わたしは濃厚でおいしいアイスコーヒーを飲みながら(濃厚なアイスコーヒーのシロップは
黒糖シロップがいい)、コーリイ・フォードの「わたしを見かけませんでしたか?」を読む。
アメリカン・ジョークがたっぷり詰まった短編集だ。ブラックジョークも多い。

「ダイエット専門家のとって無上の喜び、それは満足した読者から感謝の言葉を捧げられることで
 ある。?夫はあなたのダイエット法を忠実に実行しました。そして最初の一ヶ月で71キロ痩せ
 ました。いま、わたしは彼の生命保険金でとても幸福に暮らしております。あなたのすてきな
 ご本には、お礼の申しあげようもありません」

アメリカではここで「笑」となるのだろうか。
日本語に訳すと、どうも重たくなってしまうけれど。


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但馬屋珈琲店
新宿区西新宿1-2-6
10:00~23:00
無休