昭和通りを渡ったところは、旧地名で言うところの木挽町。
密かに「蕎麦屋トライアングル」と名付けている私です。
女蕎麦打ち師の店や、シャンパンと蕎麦を合わせる店、路地行灯を出した瀟洒な店、
昔ながらの大衆店も合わせれば、7店舗はあるでしょうか。
その中でもコース仕立てで蕎麦通を楽しませる異色の店、古拙(こせつ)。
2009年にミシュラン★を獲得してから、ますます人気店となりました。
トーキョーワッショイのコラムの一つとして、ミシュラン店のお手軽なランチ、
つまりミシュランチとして紹介していこうと思っていた矢先。
なんと古拙が閉店するとの噂、さっそく久し振りに訪れた次第です。
訪れたのはランチ時、さぞや激込みと思っていましたが、すんなりと入店。
メニューは絞られていて、頼んだのは蕎麦膳(1680円)。
この日も激暑だったので、ヱビスの小瓶をいただきながら、
付きだし3種と日替わりの汁蕎麦(小椀)で暫しの涼。
最後に、もり蕎麦かおろし蕎麦が選べ、〆にデザートが付きます。
あまり多くを語るまい。
店主・石井 仁の十割蕎麦は、喉ごしや食感をよくした多加水の、石井流独特の打ち方。
神田から修善寺に出て、また弟子の近くの銀座に戻ってきた古拙。
そして、明らかに次のステージに踏み出す準備を進めているのでしょうね。
ちなみに店名の古拙の意味とは、
「古風で技巧はつたないが、素朴で捨てがたい味わいと趣のあること」。
はてこれは座右の銘??
たぶん夜はすでに予約で埋まっていると思いますが、昼ならまだなんとか。
そして最後まで心残りなのが、個人的に好きだった、古拙のうどん。
センスある器たちの行方。木挽町はこれだから面白い......つづく
【古拙】
◎中央区銀座2丁目13-6 電話=03・3543・6565
◎営業時間=月~土11:30 ~13:30、18:00~19:30
◎8月28日(土)が最終営業日