マンションの一室でやってるかなり本格的なリンパマッサージのお店に行ったのです。
「すごく疲れてるわね~」と。
「忙しいだけじゃなくて、ストレスもあるんじゃない?」と。
「えぇ、えぇ、そうなんですよ。昔とっても嫌な目に合わされた人の傍の席に
なってしまって」と私。
「何があったの?」と言われて話しました。
気もゆる~くなってたし。
「以前にこんなことがあって→(詳しくは前の記事を)」
「うわぁ、大変だったわね。それはあなた相手がまるきりおかしいわよ。
なんだか邪悪なものを持ってる人に当っちゃったのね」と。
「そうなんですよ~、すんごい変な人なんですよ」
「そりゃあなたね。相手は悪魔で、あなたは清らかなんだから、気にしちゃだめよ」と。
あ、悪魔?きよ、清らか。それはありがとう。
しかしすごい表現だな~と思ってたのです。
それからこう続いたの。
「あなたね、会社に少し早く行ってその人の席に塩をまきなさい。それでこう思うの。私の人生に近づかないでくださいって」
「し、塩?いや、そ、それは無理ですよ」
「ほんの一、二粒でいいのよ」
「はぁ、やれそうだったらやってみます」と答えましたけどね、なかなか難しいですよ。
いや、そのマッサージ師さん、変に神がかりだったりするわけじゃなくて、
本当に親切で言ってくれてるのがよくわかったんですよ。
でもやっぱり難しいですよ。
だって、朝塩まいてる姿見られたら、断然私の方が頭のおかしい人になっちゃうもんな。


さて、この塩、そんな風に清めにも使われたりするくらい大切にされていますし、
人の体に無くてはならないものでもあります。



民俗学者宮本常一の『塩の道』にこんな記述があります。



吹出物などがずっと減ってくるのは、明治三十八年の専売制が施行されてからのちのことのように思われます。


勿論お風呂へ入ることが少ないことなども原因でしたが、
塩分の不足も一因なんですって。知りませんでした。



前回取り上げた赤穂浪士のお話しにも塩が大きく関わります。
赤穂は塩の名産地ですから、塩見饅頭(おいしいですよ)なんて名物もありますし、
歌舞伎での浅野内匠頭は「塩冶判官(えんやはんがん)」という名前になっていました。



さて、トーキョーで「塩」と行ったらここじゃないかと思います。



たばこと塩の博物館



とっても小さくて、明るい街並みに紛れて忘れそうな博物館ですが、
小粒でもぴりりと辛い!
なかなかニクイ趣向の企画展なんかもやってくれるのです。


例えば・・・


やすらぎのオーストリア カフェとたばこに見るウィーンの文化史


中越地震復興記念 ミティラー美術館展 ~インドの民族アート~


梨本宮家と渋谷 ~ある皇族妃が見た明治・大正・昭和~


幕末の浮世絵と絵師たち



ちょっと見ただけで、随分バラエティに富んでいます。
渋谷での買い物に疲れたらちょっとのぞいてみてはいかがでしょう?
併設のカフェもありますよ。


 


塩の道 (講談社学術文庫)



宮本 常一
講談社
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