謎の書き置きかよってくらい短いお知らせを書いてから早ひと月。
今戸待乳山聖天の大根まつりは、お供え物の大根をいただくということだそうで、
いつか行きたいと思いながら、一度も行ったことがありません。
さて、この大根、冬の料理本では、白菜と並んで必ず特集される人気者。
今年の『きょうの料理1月号』の特集もズバリ「大根を食べつくす」でしたよ。
じゅぅうと味の染みこんでいそうなぶり大根が表紙です。
飴色に仕上がった大根と脂の乗ったブリの上に針しょうがを添えた一品を
嫌いな人がいたら一歩前へ。
と言いたくなるくらい、大根はみんなに愛されている。
そんな大根の魅力を杉浦日向子さんが書いています。
大根は一年中お目にかかれるものですが、夏場のは繊維が固く、
しかも生食には辛すぎて、どうも粗野なものですが、
これが寒くなるほど、水分もきめも、甘味も増し、
おてんばな娘が、たよやかな娘となるように変わっていきます。
前回の豆腐もそうですが、大根も江戸人にとっては、
なくてはならぬ身近な食品でした。
はぁ~、大根を娘盛りと結びつけるなんて、なんと豊かな表現力でしょう。
大沢たかおのドラマ、「仁」見てました?(現代の医師が江戸時代にタイムスリップするお話し)
あれとあべこべに、江戸からタイムマシンに乗ってやってきたんじゃないかって
思わせられるくらい、杉浦さんは、江戸の空気を纏った人でした。
江戸のことを聞かれて説明する時、つい昨日の長屋の出来事のように
話している姿が気持ちよかったな~
この本の中では、江戸の大根の調理法が紹介されています。
揚出大根に、林巻大根、大根塩ぞうすいに、越前国大根飯。
名前聞くだけでおいしそうだけど、杉浦さんの絵がまたうまそうなんだな。
揚出大根なんて、見た途端に作っちゃいましたよ。
料理だけじゃなく、江戸の色男の衣装や髪型の違い、美女の移り変わりや
長屋の生活、江戸人たちの職業や趣味まで、江戸生活のあれこれが
ぎゅっと詰まった一冊です。
と、食いしん坊な感想ですが笑。
白い色も大根足も、大根役者なんていう表現も私は好きであります^^
それだけ生活に根付いた食べ物ですもんね