みなさん、こんにちは。


蒲田のランチです。





道塚駅の続きです。


仮営業の申請を出したのが大正12年、関東大震災の年でし
た。


大震災といえば、わたしの友人のお父さんが


あの震災の経験者でした。


とても年を取ってからの子供だったそうです。






の友人の話によると、


大地がぐらんぐらん揺れて


もう立っていられないくらいだったそうです。


地面がぎざぎざに割れて、その中へ人がばらばら落ちてゆくのを


助けてあげることもできません。


そのうちに開いていた割れ目がガツンと閉じて・・・





そりゃあもう地獄のような瞬間だったと言います。


うちの祖母もあの震災を生きぬいてきた人です。


ちょっと大きな揺れが来たとき、


高い所にあった食器棚を手で押さえながら、


「だいじょうぶ、だいじょうぶ」


と言っていたのを覚えています。





生きるか死ぬかの地震
をくぐり抜けてきた人には


ちゃんと強さが備わっているのですね。





※ ※ ※





さて、震災の傷も癒え、「本門寺道駅」は開業しました。


こんな詐欺みたいな駅名でも、


お客さんであふれたそ
うです。





そして昭和になりました。


「本門寺道」から「道塚」に改名したのは1936年(昭和11年)です。


道塚というのは、もとからあった地名だそうです。


そろそろ、戦争の足音が近づいてくるころですね。





大田区への最初の空襲は


1944年
(昭和19年)12月11日でした。


翌45年(昭和20年)になると、


昼となく夜となく連続空襲を受けます。





あの東京大空襲があった3月10日は有名ですが、


それに続いて東京は何度も何度も爆弾を落とされています。


3月10日、4月10日、4月15日、5月25日。


この一連の空襲のことも、「東京大空襲」と言うんだそうです。





4月15日の空襲では矢口あたりが酷くやられました。


このときの記憶が


「放光地蔵@ほうこう じぞう」として矢口渡に残されいます。


このことは来週書きます。





たぶん5月の空襲で、蒲田駅が燃えました。


そして道塚駅にも電車が来なくなり、


翌年、道塚は廃駅になりました。

よく知っている町並みが地響きとともに
燃えてゆくなんて
空からは焼夷弾や爆弾が降ってくるなんて
想像しただけでも恐ろしい光景です。


※ ※ ※





小林神社というのがあります。


その少し先におそばやさんがあるのですが、


そこが道塚駅だったようです。





「道塚商店街」は今もあります。


最近では「宮本通り商店街」と言われており、


新しく越して来た人達はみんなそう呼んでいるみたいです。





ただ、地名としては


「道塚」小学校、「道塚」幼稚
園、「道塚」神社・・・


のように「道塚」が残っています。





さびしい商店街です。
この通り、じつは40年くらい前には


信じられないくらい活気がありました。


うちは矢口へ行くより



道塚へ買い物に行くほうがたぶん多かったはずです。







そのころは市場(八百屋さん、魚屋さん、乾物屋さんなんかが



けっこう広い場所にごちゃごちゃに入っていました)が



3つくらいありました。







市場を出れば、お肉屋さんでは三角のじゃがいもを揚げている。



コロッケも揚げている。



そんなものを買ってもらって食べるのも、



嬉しいものでした。







あのころは道塚の通りは人でいっぱいでしたよ。



ほんの200mくらいの距離なのに、



歩くのも大変な騒ぎでした。







今はすっかり元気をなくしていますが、



第二、第四土曜日にはそれぞれのお店がテントを張って



思い思いの商品を並べています。







「スタンプ集めてます」と言えば、



どのお店でも快くスタンプを押してくれます。



さすがに昔からの商売人だけあって、



どこのお店でも、ホントに感じよく接客してくれます。
そんな道塚商店街ですが、
なんとか元気を取り戻してほしいと思います。

【道塚商店街への行き方】

〈蒲田から〉

1.蒲田駅西口を出て、左へ。
2.ガード下の東急ストア(工事中)を越えて右へ曲がる。
3.ホテル末広、ユザワヤ、ホテルファーストイン、
  御園中学を通り過ぎ、さらに西蒲田公園の前を通過。
  その角を左に曲がる。
4.まっすぐ行くと環八につきあたるので、環八を渡って右へ。

5.「天祥院」という葬儀屋さんの角を左へ曲がる。
6.「小哲豆腐店」の前を通り過ぎ、
  「よしたか」と「みちづか整骨院」の間を曲がる。
7.「バーバーサカイ」「みちづか幼稚園」の前を通りすぎ、
  道塚小学校の交差点を過ぎたら、
  「宮元通り商店街」のアーチが見える。

〈矢口渡から〉

1.東急多摩川線「蒲田駅」から電車に乗って
 ひとつ目の駅「矢口渡駅」で降りる。
2.矢口渡商店街を抜ける。
3.西友の角を左に曲がる。
4.2つ目の信号を右に曲がる。

その間、右手にK-PORT DRUG MAURT・美容室 TICKLE・辻はり・きゅう治療院・山下理容などがあります。

5.右に曲がったら道なりに歩く。
6.左に「宮元通り商店街」がある。