毎年10月19日、20日に日本橋べったら市が開催される。
江戸通りより一本小道に入ったところにある、小さな小さな恵比寿神社の前の通りを
約500点の露店がぎっしりと道を埋め尽くす。
中でも、一番幅を利かせているのが、「べったら漬け」の屋台。
少しお祭りの背景をご紹介すると・・
この祭りの発祥は江戸中期までさかのぼる。
商売繁盛の神様、恵比寿様をまつっているこの神社、毎年1月と10月20日に行われる
恵比寿講(商売繁盛を祈願して恵比寿様を祭る行事)の前夜祭として、
恵比寿講に使う神像や、打ち出の小槌、切山椒などを売る市場が出ていた中で、
べったら漬けが評判になり、いつからか「べったら市」という名前が定着したようだ。
「べったら漬け」はアメと麹で大根を浅漬けにしたもの。
名前の由来は、当時、売り子の若者が「べったりつけるぞ~」と言いながら、
べったら漬けを買い物客の着物の袖にベタベタつけて からかった事からきているようだ。
さて、私はこの近所で働いているので、毎年このお祭りを覗くけれど、
べったら漬けは高価な為、いつも試食の旅で満足し、お祭りの空気を満喫していたわけです。
しかし今回は、「べったら市にきてべったら買わねぇんじゃ意味がねぇ~」と
おじいさんが叫んでいた為、息巻いて買うことにした。
毎年1本1200円くらいから売っているから、そのぐらいのものを...と思い屋台をめぐった。
今年は目安の価格表が出ていない。(見落としたのかもしれないけれど)
売り子さんに標準価格を聞いてみると、1200円というので買うことにしたけれど、
結局、量り売りで2400円(!!!)もするものを買ってしまった。本当に高級品...。
それでも、お味はお墨付き!うっすら甘くて歯ごたえがあってとても美味しい。
ここのべったら漬けは、大根の「皮つき」と「皮なし」の2種類で、
皮つきは歯ごたえがポイントだそう。味付けは基本的に同じのようだった。
大根丸ごと一本と葉っぱの塩漬けが付いてくる。
分厚いビニール袋に入れてキュッと結んで包んでくれるけど、
べったら漬けの香りは意外と強いもので、
電車に持ち込むと、たちまち異臭犯人となってしまう。
「私じゃありません、べったら漬けです!!」
と心の中で叫びながら出来るだけ匂いが逃げぬように
袋をギュッと握りつぶすのだった...
●べったら漬け屋台の他にも、七味をその場で調合してくれる屋台や、
飴細工屋台や、自分にぴったりの耳かきを作ってくれる屋台など、
江戸文化が垣間見える粋な屋台が並んでいてお勧めです。
もちろん、たこ焼き、チョコバナナ、焼き鳥などのよく見る屋台もズラリ、勢ぞろいです。
●19日には御神輿も出動するので、威勢のいい日本の祭りを味わってもらう好機会!
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宝田恵比寿神社 べったら市
東京都 中央区 日本橋本町3-10
03-3254-0753
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