六本木ミッドタウン内の21_21 DESIGNE SIGHTで開催中の
『クリストとジャンヌ=クロード展』を見てきた。

彼らの作品を初めて見たのは、高校生の時。
Bunkamuraの洋書セールで買った『1968』という画集にあった。
全く意味が分からなかった。
なぜ、これが芸術なのか。
実物のものを布でくるんでいるとは知らなかったから、
コラージュだと思っていた。
一体何が言いたいのか分からなくて心に残っていた。
それが、東京で展覧会をするというから、
その理由を探しに行ってみた。


コロラド川を覆ったり、島の周りをピンクの布で覆ったり
パリのポン・ヌフを布でくるんだり、
巨大な傘を日本の山間とカリフォルニアの砂漠に立てたりする 環境芸術。

プロジェクトが壮大すぎる為、交渉期間が10年や25年かかる。
展示期間は1~3週間程度。莫大に掛かる費用は、彼ら自身が全て工面する。




絵の中に自分が入ったような、芸術が現実の世界を巻き込むファンタジー。
多大な人々の協力と労力とお金をつぎ込んで一瞬で終わるインスタレーション。
だけれども、それを観た人々からは言葉が詰まり、涙がながれる。


なぜだろう。
「美しい」と連呼。感動って言葉では説明できないんだな。


彼らの作品の展示期間の短さには理由がある。
「はかないものの美しさ」
「はかないものが秘める美しさ」
「はかないものに人の心は惹きつけられる」
日本の侘び寂びの精神に似ているな。


日本とカリフォルニアの傘プロジェクトのドキュメンタリーを観た。
凄く壮絶。感動したけど驚きもした。
プロジェクト実行中のアーティストの気迫に気圧される。
一般人から見たら、真剣なのは分かるけど自分勝手。

「止めろ!!止めろって言ってるんだ!!!
警察が来たって構わない、後ろに大渋滞が起こったって構わない、
今すぐここで車を止めるんだっっ!!!!」

と叫ぶ。色々なところで叫ぶ。
だからこそ、芸術家なんだと思った。
自分の信念こそがすべて。
堅い信念があるから成し遂げる。
私にはない才能。
小さい頃、「大きくなったら絵描きか芸術家になる」と夢見ていた私が
芸術家でない所以が分かった。

私だったら人の顔色をうかがって、あんな場面で車を止めろなんて叫べない。
やっぱり、芸術は爆発なんだな。
抑えられない衝動。表現したい欲望。
自分にはないものだから、観たいと思うしその能力が欲しいと思う。



そんな事を考えた展示だった。
とても面白かった。
計画中のプロジェクトがいつ実行されるかわからないけれど、
私が生きているうちに実行されるなら、 アラブのドラム缶を観に行きたいと思った。


 


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21_21 DESING SIGHTはミッドタウンの庭の中にある小さな美術館。


喫茶店も併設されていて、今の季節は満開の桜を眺めながらゆっくりできる。


のんびりと、おしゃれな日本の新しい風景を楽しむのもよいのでは?


建築は安藤忠雄さん。館内の設備もミニマムで素敵。


英語の作品解説も付いていて、外国の方々と一緒に楽しめるはず。


 


 


21_21 DESIGN SIGHT


東京都港区赤坂9?7?6


東京ミッドダウン・ガーデン内


TEL:03-3475-2121


会館時間:11:00~20:00(入館は19:30まで)


休館日:火曜日、年末年始、展示替え期間