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 煌びやかな二子玉川を抜け、大井町線沿いに東へ進みます。再開発真っただ中の駅東を横目に、ほどなくして現れた大きな坂道。二子玉川のあたりは、急な坂がやけに多いんです。息を切らしてようやく上りきると、お屋敷のような建物が見えてきました。 ここは、上野毛の五島美術館。東急電鉄の始祖・五島慶太氏、彼が生涯をかけて収集した美術品を展示するために設立された、私立の美術館です。絵画や陶磁器など東洋の古美術を中心にした、ちょっと渋めのコレクション。閑静なこのあたりの雰囲気も大好きで、僕は特にあてもなく訪れることがあるんです。   けれどここのもう一つの見どころは、展示場に挟まれるようにした日本庭園。武蔵野台地と低地とを切り分ける国分寺崖線、その斜面をそのまま利用した、自然の趣あふれる緑の楽園です。照葉樹など古来からの植生を色濃く残し、起伏ある中に現れる東屋やひょうたん池。静かでのどかな森に囲まれて、まるでどこかの山道に迷い込んだかのような錯覚に陥ることでしょう。   こちらの木々はまだまだ元気なようですが、おやおや。秋は、こんなところにやってきていました。思わず見つめる自分、のどかな大井町線の音がどこからか届いてきます。     ~ 大井町線・あきあるき ~ はじまり 二子玉川・玉川高島屋