「ほら、猫いるよ。撮りなよ。ほらほら早く、行っちゃうよ。」


一ヶ月ほど前のこと。
トーキョーワッショイの会合があった日の、帰りの出来事である。
場所は中野サンモール商店街の一角。

私は街中で猫を見ても、想像が沸いてこない猫には
手を振ってサヨナラするのだが、
このときは銭湯コラム担当の村雲氏に急かされ、写真を数枚撮ることとなった。

この村雲氏、繊細なんだか強靭なんだか意味不明で
あの世界的に有名な映画に登場する「C?3PO」にどことなく似ていると
初対面から思っていたが、私は未だそのイメージを払拭できないでいる。
しかもすごく真面目で厳しい。かつ、ポリシーの語りようは五月のハエ的なところがある。
ワッショイへの思いはことのほか強く、このときもそんな感じ。

「まぁ、撮らなくてもいいか」なんてもたもたしていたため
以下の写真を、なかば怒られながら撮ることとなった。


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「なんかさー、こういった商店街の雰囲気も撮った方がいいよ。
この情景における猫をさ・・・(以下省略)」

とりあえず「そうですね」と従う私。

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村雲氏は、私がワッショイに参加したとき
撮影の方法や、ワッショイメンバーのことや
何やかんやを教えていただいた、言わば私の教官みたいなものだ。
「ドジでのろまなカメ」をしていたら怒られるのだが
「教官!」「千秋!」みたいな良いもんではない。
また、逆らうとたまに面倒なので「そうですね」と従っておくのだ。




そんなことより私は
この「杉本さんのチャリ」が終始気になって仕方なかった。
「なんで名札付けているんだろう。もしかして・・・」と想像の世界に入り込み
もはや教官の有り難いお話は、耳に入っていなかった。

そんな一部始終を、猫たちが無表情で見つめていた。

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                                              撮影/中野区