山枡酒店のある倉吉を発って、次は。


お燗の美味しさというものを初めて知ったお酒であり、
最初は渋くても、置いておけば味が開く、ということを知ったお酒でもあり、
まっとうな造りをしていれば、常温放置にでも絶えられる、ということを知ったお酒。


そして、田舎ならではの温かいおもてなしに、心の底から感動した、
辨天娘 という日本酒を造っている 太田酒造場 へ再び!!


前回と同じように、若桜鉄道 に揺られながら。

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これ乗ってると「鉄っちゃん」の気持ちが非常に分かる・・・。


若桜駅に到着すると、すっかり雪景色。

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そして、駅で。
「娘さーん!久しぶり!!お迎えに来てくれて、ありがとう!」

蔵に到着すれば、今度は。
「おかあさーん!おとうさーん!お世話になります!!」

おこたつに呼ばれていけば。
「おじいちゃん、おばあちゃん、相変わらずお元気で!」
「杜氏の中島さん、お疲れ様です!」
「おじさんの奈良漬、東京でもしょっちゅう食べてますよ~。」
「ワンコのさくらちゃん、あらーそんなに吼えないで~。」


そんな感じで、まずは、家族が揃って、おこたつでワイワイお喋り。
着いて数分で、ほんわか家族の一員になったような、帰省したかのような、温かい気持ちになる。


さて、笑いが耐えない会話が落ち着くと、
杜氏の中島さんが、「着いて早々ですが、一仕事ありますんで。」 と。

ういっすー!待ってました!!

お世話になるんだもの、働かずしてタダ飯は食べられない!


お仕事は 麹室 にて、麹米造りのお手伝い。

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まずは、既に表に麹を振られたお米たちを裏返す作業。

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はは・・・(汗)。なんかヒヨっ子って感じ。
なんてったって、蔵仕事は、生まれて初めてなんです!!

一緒にヒヨっ子なのは、自分の同期であり、“娘っ子2人”の相棒であり、大親友。
ホントに、ここまで一緒に来てくれて、ありがとう(涙)!!

友達と娘さん、杜氏と4人で、これまたワイワイやりながら。


次は、裏返したお米の上に、再び麹菌をまく。

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緑色の麹がふわ~ふわ~~~っと舞って行く。


すると、室(むろ)の電気を消して。という中島さん。
真っ暗に。

そんな中、懐中電灯で照らしてみると、麹菌がゆっくりゆっくり舞い落ちて行くのがわかる。

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一筋の光の中でキラキラ麹菌が浮いてる様は、とっても綺麗だ。


しばらく外で待機して、麹菌がお米に落ち着いた頃、今度は固まっているお米を、ほぐす作業。
これがまた、腕にきて、地道な作業だけど大変。

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はは・・・やっぱりヒヨっ子な我々(笑)。


ほぐしたお米を、次は再び中央に集めて、固めて布で大事に包むのだけど。

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中島さんが 「あはは、やっぱり、いつもと形が違う(笑)。」 と。。。
あああ、すいませんっ!!


とりあえず、これで午前の作業は終了!!
お疲れ様でした!


母屋の温かいおこたつ部屋に戻ってくると、息子さんが来てくれていた。
たまたまコッチに来ていたから寄った、と言うけど、わざわざ駆けつけてくれたのでは・・・。
でも、また会えて嬉しいよ~。

そして一緒にランチタイム。

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お母さんがさばいて作ってくれた カレイの煮付け、おっきーくて、卵や肝までついてる。
とっても美味しいです。
おばあちゃんの 白菜の漬物 も、素朴で温かい味。
辨天娘の粕汁 も温かくておいし~い。

んもーー、こんな、お酒が欲しくなる料理が昼からとは、さすが!!


でも、まだ飲みません。


前回は宴会はお昼から始まったのだけど、今回は 夜!!
どういう意味かというと・・・。


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お布団敷いてあるワケで。


なーんと、今回は泊りでお世話になる事になっていたのであった。
だから、なおさらタダ飯は食べられない!!!


午後も働かないと。

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布や麹蓋を何十枚も洗う作業。
お湯で洗っていれど、底冷えする蔵の中では、足元がキンキン。
でも、こういうのも大事な大事なことなのだ。

娘さんと友達と3人でやって3時間ほどだったけど、
これが蔵人さんだけだったら、本当に大変だろうなぁ。


終了すると、中島さんが、タンクを見せてくださった。

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重い櫂も持たせてくれて。
これを毎日かきまぜてかきまぜて、育てるんだなぁ。


初めの麹室での作業、洗う作業、どれもこれも、楽しかったです!!

いや、蔵人さんからすると、「酒造りはそんな生易しいモンじゃないぞ。」って怒られそう。
だけど。

やっぱりお酒造りに実際に携われるのが嬉しかったのです。
こんな沢山の経験をさせてもらって、中島杜氏、ありがとうございました!!


そして、母屋に戻ってくると、宴会の準備がちゃくちゃくと。
んがしかし、宴会前に、またすんばらしいモノが待っていたのだ。

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お風呂 です。

白いのは、温泉の素ではなく。
牛乳とか豆乳とかでもなく。


なんと 酒粕風呂 なのだーーーー!!

粕風呂というのは毎日できるものではないらしい。
おとうさんが日程を調整してくれたのか、我々の為に用意してくれたような。

んもう感涙です!!

お風呂に浸かると、酒粕のイ~~~~~イ香りが・・・。
香りを嗅いでるだけで、飲んでる気分・・・酔っ払いそうだ~。

お肌はもちろんツルッツル。
体も芯から温まって、お風呂後に思わず口から飛び出た自分の感想。

「とーっても美味しいお湯でした。」

・・・おかあさんに、大爆笑されちゃったよ。

まったく。
まだ飲んでないのに、夜の宴会にむけて、自分の体の準備もバッチリだ!!


(後半へ続く)