千駄木には何かとお燗のお酒を飲む機会が多い。
そして、だいたい2次会で行くお店は決まっている。

というか、そこには1次会でしこたま飲んだ仲間と、
ぐだぁぁ~~と流れ込むパターンでしか飲みに行ったことがない。

一度、一軒目からゆっくり飲みに行きたいな~と思ってて、ようやく念願叶ったそのお店は 鳴滝


よみせ通りから、スナックとか小料理屋なんかがこぢんまり並ぶすずらん通りに入る。

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この何とも言えない渋さ・・・何度来てもたまりません。


もちろん、鳴滝も渋い。入口から渋い。

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一見、スナックのような構えが、また良いのだ。


お店に入るとマスターがお花を生けている。もしや、こんな早い時間は準備中?

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腕時計を見ると19時ちょい前。
ちょっと早かったかなーと思って、申し訳ない旨を伝えると、
「いやいや、私の方が今日はちょっと遅刻しまして・・・ちょっと待っててくださいね。
 花が枯れてたもので。」 と。

カウンターに座りながら、花を生けるマスターと少しお喋り。
静かでまったりした時間が流れる・・・鳴滝でこんなのは初めてだなぁ。とっても居心地がいい。


2次会で来ると、つまみはいつもお任せなのだけど、今回はちゃんと聞いてみよう!
と、「何がオススメですか?」と聞いてみる。
でも、ふふ・・・と笑って 「考えてるものがありましてねー。」 とのみ言うマスター。

なんだろう。楽しみー。


お話していると、はい、完成。

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綺麗・・・というか、お店にぴったりな生け方だから、こんなに良い雰囲気が出るんだろうな。


さて、厨房で仕度に取り掛かったマスターに、お燗の手間をとらせるのも何かな、と思い
「常温か冷たいのをとりあえず」 とお願い。

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鷹勇 H15BY 辛口純米酒 をワイングラスで。

「酒屋さんはお燗が絶対イイって言いますけどね~、私はコレも良いと思うんですよ。」 と。
なるほど、確かに。
冷たいし純米酒と書いておきながら、洗練された、でも旨みある味わい。
(それもそのはず、磨きが50%だ~)


そして、遅れると言いながらダッシュで来てくれたのか、
予定よりも10分も早く着いてくれた先輩がやってくると、まずは 白魚 。

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ぷりぷりで大きい。
ほんのりした苦味が、これまたお酒に合うんだよなぁ。

マスターにお燗をお任せでお願いすると、
出されたのは 天穏 無ろ過中汲み 純米吟醸 。
これも白魚の味わいを邪魔しなくて美味しい~。


ところでマスター、それはもしや圧力鍋ですか?!

あ~いいな~欲しい~。
アメリカ話にも登場、あっちは肉が大きな塊だから、圧力鍋は絶対に便利ですよ、とな。
うーーん、やっぱ購入決定か?!

その鍋で、キューーーっと何か煮込んでいる間に
(圧力鍋は“ことこと”じゃなくて“きゅーー”ですよね)、次のおつまみが。

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塩豚かなぁ。さっぱりしてて、でもお燗にも合う。
というか、ホントに何も言わなくてもおつまみを良いタイミングで出してくれるのが嬉しい。


次のお燗もマスターお任せで、取り出されたのは 神亀 ひやおろし 。

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ちなみに、鳴滝では、お燗は湯燗徳利で出されるのだけど、
「これはね、美味しいお燗のつけ方があるから、私に任せてくれませんか?」 
と、これまた嬉しいお言葉!

一度、ぐーーっと温度を上げてから、湯燗徳利に氷を入れて。 「人肌くらいになったら良いですよ。」

飲んでみると、ほ~っとため息が出てしまうくらい、まろやかになっている。
小さなグラスで常温も飲ませてくれたけど、全然ちがうな~。


さて、圧力鍋に火を入れてから数十分後。
え?!もう出来たんですか?!

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牛肉と大根の煮物 だ。
出汁が、ものすご~~く効いてる!出汁だけは前もって作っていたとのこと。
牛肉の脂は、圧力鍋で煮込む前に少し火を通して落とす、という手間も加わっている。

でも、牛汁の旨みが出汁に十分に溶け込んで、しかも数時間煮込んだんじゃないのか?!
というくらい、どちらも柔らかい。

恐るべし、圧力鍋。 というかマスターの腕か。


山笑ふ  その弐 と その弐’(滓がらみ) の飲み比べを楽しみながら。

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2種類の熟成された旨みと、味がしっかりしみこんだ牛肉大根を合わせつつ。


残り少ないんですけど出しちゃいましょうかね~、と琵琶の長寿 惚酔 を取り出す。

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燗用旨酒 と書かれているそれは、
琵琶の長寿の印象でもある酸っぱさがほとんどなく、旨みがほどよく味のバランスが取れている。


これに合わせてサラダも出しますからね、というマスター。

(しまった!写真を撮り忘れてしまった!!)

一見、レタスとズッキーニのサラダなのだけど、
塩漬けした豚バラのイタリアハム  パンチェッタ が味のポイント。
そして、さらにもう一つのこの味わいは・・・?

なんと 塩うに だ!
固形物として見えるワケではないのだけど、
この塩うにの風味がドレッシングとなって、日本酒に合うのだ。
これはたまりません。


最後のお燗もお任せで 生もとのどぶ 。

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〆にはピッタリ。


ちなみに、今回はお肉ばっかりだったのだけど、それは月曜日だったから。
「月曜日は河岸に行っても良いのがないのでね・・・こういうものしか出せなくてすみませんね~。」
と、魚に対しても詳しそう。

そいえば、最初に1人でカウンターに座って居た時も、魚の話で盛り上がったっけ。
河岸に新鮮な魚が届いた日は、また魚料理も美味しいんだろうな~。


一見、渋いBARな鳴滝さん、こんな料理も素晴らしいとは。

料理だけじゃない、それに合う日本酒のセレクト、お燗のつけ方・温度。
そして、会話も長けて、とっても優しくて、
一通り出して落ち着くとカウンターに肩を並べて一緒に喋ってくれる。

こんなステキなお店に、2軒目にしか行った事がなかったとは(涙)!!
是非とも一軒目に行って、じっくりじっくり、まった~~~りと過ごしたいお店だなぁ。


[お店情報]
アクセス:千駄木から徒歩3分
TEL:03-3823-7427
住所:文京区千駄木3丁目あたりの「すずらん通り」
定休日:なし?!
営業時間:19時くらいからお客さんが居るまで

[飲めるお酒]
鷹勇
日置桜
独楽蔵
睡龍
生もとのどぶ
旭菊
神亀
などなど色々