帰ってきました 名古屋 。

なのに実家には立ち寄らない親不孝者。
今回の目的は なごや純米燗 なのだ。

でもでも、もちろんそれは超楽しみなのだが、前夜祭もずーっと行きたかった念願のお店へ。


栄のとある路地、ピンク系のお店に囲まれて、とあるお店がある。
年季の入った構え、まっとうな雰囲気が漂ってくる。

またもや名前を出せないお店なのだけど、ここは店主とお母さんが二人だけでやっている。
カウンター10席くらいに、小上がり1つの小さなお店で、
先代の親父さんの時からというから、創業50年くらいだろうか。


カウンターに座る。
と、目の前にはど~んと魅力的な日本酒が!

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しかも名前入ってるし(笑)。日本酒のキープ瓶かぁ、いいなぁ。


名古屋純米燗で一緒になる友達と3人で、とりあえずのビールをやっていると、まず前菜たち。

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茹でたピーナッツふき切り干し大根とヒジキ …素朴な家庭的な味わい。

「名古屋人は味噌カツとかえびふりゃーとか味噌煮込みとか味の濃いのをいつも食べる」
と思っているアナタ。

それは間違ってます。


ちなみに、この日の料理は店主にお任せ。
電話で予約すると 「どんな感じにしましょうねぇ?」 と聞いてくれるので
「予算こんぐらいで、お任せします。あ、でもたくさん飲むので全部で○○円くらいかなぁ。」

そんな感じにテケトーに座って飲んでいれば美味しいのが出てくるのだ。


さて。
お猪口を選んで 神亀 純米活性にごり酒 を。

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「はい。まき子さん開けて。」 と友達に渡される。

「ええ~。また大変そうっすよ~(汗)」 とビビっていたが、
今度はしっかり冷えているので、吹き出す事もなくすぐに開栓。
シュワッと感が、暑い日の一杯目に良い感じ。


ちょこちょこ出してくれるおつまみ。

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ジャガイモとひき肉の煮物水茄子コンニャクの煮物、本物の素材を使ってシンプルに。
お酒と合わせて食べると、体にじんわり染み込んで行く感じ。


にごりの後はお燗をお願い。
すると「一升瓶で出します?どうせ飲むでしょお。(ちゃきちゃき名古屋弁で)」 ・・・って(笑)。

そりゃ飲みますが、いろんな種類を飲んでみたいしな~と言っていると、こんなのを出してくれた。

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鷹勇 辛口純米 の 500mlサイズ。
へえぇぇ、こんなサイズがあるんですね~、と、当然、瓶燗。


二本目は 「地元らしいお酒を。」 とリクエスト。

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長珍 純米吟醸 これも「いじめてみます?」と店主。
は~い、瓶燗で♪
落ち着いた味わいで、イケる。


さて。
お料理は次がメインとのこと。
カサゴの良いのが入ったから、「これぞ名古屋」 という料理を作ってくれるという。

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一見、濃い醤油なんかで、しっかり煮込まれた煮魚に見える。

が、しかし。

店主曰く
「このカサゴも豆腐も、中まで味が染み込んどらんのヨ。」 とのこと。

名古屋は確かに「たまり」など味の強い調味料を使うけど、
ここでの使い方は、「さしすせそ」 ではなく、
わざと味の染み込まない調理方法で煮、わざと盛り付け時に煮込んだタレをかける。

そうすることで、自分で好きなように味の調整をしながらつまめる 、というワケ。

中の身をタレにちょんと漬けて食べてもよし、たっぷり浸してもよし、
そうしてチビチヒ飲むのが名古屋流。

そうだったのか~!!

って一応名古屋出身な自分だけど、そう言われて初めて気付いた。

最後には白飯+ネギを用意してくれて
「魚の残ったタレをご飯にかけると、またちょびちょびツマミになるんだわ。」 

わ~!それもいいっすね!

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でも、こうした、まっとうな郷土料理を作ってくれるお店は名古屋にあとどのくらいあるんだろう。
コテコテな山ちゃんとか矢場トンだけが名古屋名物じゃないぞー!と声を大にして言いたい。


とにかく店主は、ちゃきちゃきの名古屋っ子で、きちっとした物を出してくれる。
お猪口1つとっても本物。
素材選びも本物。

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会話も上手だし、名古屋弁も良い感だし。
最初は「○○さん」と呼んでいたら、「いやん、友達なら“○○ちゃん”でしょう。(「しょ」にアクセント)」
などと、ホントに楽しませてくれて。

もう、栄で飲むって言ったらココしか考えられないな~。
「ココで飲む為だけに、名古屋いってもエエよ。」 と公言してくれた友よ、ホントにこの為だけにまた行くぞ!