気温がだんだん下がってきたので、イチョウの木が変色し始めた。

都内のいろんなところにイチョウ並木があり、先の台風で実が歩道に
広がって、それがポクっポクッという音で踏み潰されいき独特な匂いを発している。

駒沢公園通りのイチョウは実をつけない。
でも、毎日葉が落ちるので通りに面する人たちは
日課として歩道の掃除をする。

えらい。

そんな街の人々を毎朝見ながら思い出すのは、
小さいころ毎週日曜日にやった神社の境内の掃除。

近所の小学生が集まって、日ごろからサッカーや野球をして
遊んでいる”お宮”を掃除する決まりになっていた。

広い境内の敷地内には樹齢400年を超える大ケヤキや
クヌギの葉が鬱蒼と生い茂る。
秋のはじまりのこの季節には掃いてる傍から葉がふってくる
ようになり、いつもの3倍は時間がかかるようになる。

どっしりとした葉の重みを細い腕に感じながら、
3時間無心で竹箒を繰り返し繰り返し動かす。

大変だったが、竹箒を動かすうちに徐々に葉は取り除かれて
きれいな砂地が現れ、京都の庭園ほどまではいかないものの
掃いた跡が気持ちよく残る。そしてみんなで遊びに行く。

その気持ちよさも思い出すせいか、駒沢の人々の日課を見た日は
むしょーに部屋を掃除したくなる。

ただ大人の掃除は夜中なので終わったらねるだけ。


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