空の食欲魔人、ジン太です。

 いやー最近『週刊モーニング』が面白いね。『バカボンド』や『働きマン』みたいな超人気マンガはもちろん、『へうげもの』や、福満しげゆきの『僕の小規模な生活』なんて連載もあるんだもの。

 サラリーマン向けということで、サラリーマン(や、戦う人)を主人公にして共感ポイントをおさえつつ、マンガ自体しっかりテーマがあって読み応えがあるもの並べるなんて、さすがモーニング。

 さて、今回紹介するのは、そんなモーニングに月イチで連載されている、よしながふみ『きのう何食べた?』11月22日に、単行本も出ました。
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 弁護士と美容師、40代ゲイカップルの食卓を中心に繰り広げられる、ゲイの日常風景。
 
 作者の よしながふみ は、人一倍食べることが好き、というので、作る料理はどれもうまそう。
 スーパーで底値をチェックして、安い材料を買っておかずを作ったり、太らないように美容と健康に気を使ったり、彼氏が昔の恋人(女)の店でパンを買って来たのに嫉妬して偵察したり、ほのぼのしていながらも「あー、わかるわかる!」とゲイでなくとも共感できるところが非常に楽しいです。

 何よりも、モーニングでゲイが主人公で、しかもフツーの日常を描いたマンガが連載されてるってことがでかいよな。働きマンでもちょっと出て来たけど。(「働きマン」で出て来た占い師の「ブルボンヌ先生」はcampy!の人がモデルです。便乗して紹介。オカマスイッチ、入ります!!)

 11月22日に出たモーニング51号では、主人公の筧史朗が初めて新宿二丁目に行ったシーンが出てきました。

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 東京に住んでいても新宿二丁目に行かないゲイというのは実はけっこういます。

 主人公の筧史朗も、40近くになるまで二丁目に行ったことがなくて、初めて彼氏(当時の)に連れられて二丁目へ。

 「相手はネットで探せばいいし」「Hだけならハッテン公園とか行きゃそれで住んでたし」と。

 そうなんすよー。
 たしかに、ゲイでも二丁目に行かない人って結構います。

 ジン太は仕事場が新宿にあるし、aktaも、クラブもゲイバーも好きだからわりと(週1回くらい)行くんですけど、お酒飲まなくて二丁目のクラブもそんなに行かなかったら、あんまり行く理由もないしね。mixiやブログとかで友達もできるし。

 で、筧史朗は、このときまで自分がもてるほうだと思ってて、声かけられたらどうしよう、ってドキドキしてたら……




 びっくりするほどもてませんでした。




 そこで、筧史朗は「モテるゲイ」に必要な要素を悟るのです。

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 短髪・ヒゲ・ピタピタの服にガチムチの体型 これこそが「ゲイの愛されファッション」だと言う事に。女の子でいえばななめ前髪のセミロングに甘めのワンピを着ているのと同じくらいに…。

 皆が判で押したようにモテファッション(短髪ヒゲ)をしている中で 筧は合コンにすっぴんで来る女くらいに場違いだった。


 さすがよしなが先生、わかっていらっしゃる。

 まあ、ノンケ男子も、好きな女の子のタイプは、ぽっちゃりだったり、スーツ姿が好きだったり、それぞれ好みも細分化されてると思うんですけど、相手が誰か分からず、また相手の好みも知らない状態では、不特定多数にアピールし、確実に仕留めるためには、太いラインを抑えて最大公約数のごときモテファッションをしたほうが成功率が高いのですよ。

 まさに合コン(合コン行った事ないけど) でも、二丁目にくる全員が男を探しに来てるわけじゃないからね(汗)

 あ、あと、このよしなが先生の絵より、もうちょっと肉があったほうがゲイにとってモテスジな気がする!
 
参考
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つーかケンコバです。「きのう何食べたって? カレーライス。ルーが薄いんですよ。スープみたいに」「それはスープカレーっていうんだよ」(妄想)


 さて、ちょっと話がそれちゃいましたね。

 で、筧史朗はその二丁目の飲み屋で偶然、今カレの矢吹と出会い、その後に美容室で再開し、付き合うことになります。

 なんかこういう、二丁目で会ってそれから別の場所で偶然再開っていうのもなんだかリアルでいいなあ。逆のパターンが多いんだけどね。職場で「絶対ゲイだと思う……」って気になってたら二丁目でバッタリ会ったりとか。その気になる人がどんだけゲイっぽい容姿でも(短髪ヒゲ)いきなり「ゲイですよね?」とは聞けないし。筧史朗も二丁目で一度矢吹に会ってなかったら、美容室で出会ってもお互いを「ゲイ」と認識できなかったわけだし。

 そう思うと、新宿二丁目って、いままで全く知らなかった人たちが出会えるような、運命を感じさせるようなコミュニティの場として機能してるんじゃないかしらん。ネットは確かに便利なんだけど、まったく知らないところで偶然につながるようなワクワク感もないしねえ。


 ジン太も彼氏くんも、料理が好きなので、一緒にいる時は筧史朗ほどじゃないけどわりと料理作ります。ご飯の趣味が合うっていうのは本当に大切だなあ……ってしみじみ思うね。味付けが濃いのが好きとか、微妙に好みも違うんだけど、そういうのもなんだか楽しいし。居酒屋でもモリモリ食うし。それにねー、彼氏くんはデパ地下で試食しても怒らないの! やだ、ノロケるなって? え、別にそれはどうでもいい? いやいや、大切なことなんだってばよ!