それはとてもとても天気のいい五月のある晴れた日曜日。

彼はその日、お休みでした。
そこへ、まだ午前中というのに、とても不躾な電話。

「ビールサーバーを貸してもらえませんか。
 今日。
 今から使いたいんです。」


彼は酒屋さんです。
繰り返しですが、その日は、お休みでした。
あり得ませんよね。
しかし、電話の向こうは非常に切羽詰まっていました。

「今日、お祭りに出店するんです。
 生ビールを用意してるんですけど、サーバーにちょっとトラブルがあって。」


それが彼の地元のお祭りだったかもしれません。
彼は立ち上がってくれたのです。

彼は、お店の軽トラで、お祭りの現場までサーバーを運んでくれました。
たどり着いた届け先にいるのは、ビールのことがさっぱりわからないド素人集団
彼は、不安そうな顔で、それでも、サーバーをセッティングしつつ、サーバーの扱い方やタンクの交換の仕方を教えてくれました。
ド素人集団、感激。
せめてフランクフルトでも、せめてせめてお茶だけでもと差し出すのですが、笑って彼は立ち去ってしまいました。
立ち去る後ろ姿(軽トラですが)までかっこよく。


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歓声とともに迎えられたビールサーバー(を、非常に不器用に扱っているワタクシ)。


ド素人集団の名前は、トーキョーワッショイ
お祭りの名前は、すずらん祭り

そして、トーキョーワッショイの生ビール販売を陰でささえてくださった、その酒屋さんは、
小高酒店さん
といいます。
神田は錦町の、神保町を愛する酒屋さん。
こちらのご協力なくして、ワッショイ生ビールはほんとうに販売できませんでしたとも。

感謝をこめて。
ありがとう!!ありがとう!!ありがとうございます!!

お祭りだからこそ触れられる人の情ってものを、確かに学んだ、トーキョーワッショイだったのでした。

(※準備の大切さも学びました。モチロン。ご、ごめんなさい!!)