地図上の狛江のお隣には、世田谷区と調布市と川崎市があるのですが、
トーキョーワッショイの狛江のお隣には日本酒の国があります。
その名も日本酒コラム「まき子の酒」、そのまき子がある日こう言いましたとさ。

「ここ行ってきて~」

ここ、とは。

志美津や(しみずや)さん。
昭和三十九年、狛江に開業。
手打ち蕎麦、しかも粉も自家製粉
カーター元アメリカ大統領も来店なさったという、由緒正しき狛江の蕎麦屋さんでありました。なんや、すごいぞ。
HPで地図を拝見。うん、歩ける歩ける。
そんなわけで、真夏日だった日曜日、ひんやりとした蕎麦の喉ごしを求めて、行って参りました。狛江で蕎麦を!
本日はそのレポートです。長いです。

その前に。

こちらの蕎麦は十割蕎麦だそうで。
グルメでもなんでもない私。十割蕎麦ってなんやっけ?
志美津やさんのHPにも書いてありますが、一応調べてから。

十割蕎麦とは
100%(=十割)そば粉でつくられた蕎麦のこと。
十割蕎麦に対し、通常の蕎麦は小麦粉:蕎麦が2:8であることから、「二八蕎麦」といわれる。
つなぎとなる小麦粉がないため、打つのは難しい。ビタミンが豊富。

なるほど。
こんな蕎麦素人が行ってもええのかな。えっか。おなかもすいたし。
地図よーし、財布よーし、出発!

最寄り駅は、小田急線・喜多見駅
京王線・仙川駅、もしくはつつじヶ丘駅からも歩けそうです。
ちなみに、うちから小田急線・狛江駅までは徒歩5分ですが、隣の喜多見駅までも徒歩10分くらいです。便利便利。

喜多見駅を北側に出て、左手に薬のセイジョーがみえます。
店に沿って右折して、あとはのどかで静かな住宅街を、のんびり歩くこと15分弱。
左に駐車場、斜め向かいに純和風のたたずまいの「志美津や」さん。
自宅からの所要時間、30分未満。さすが、日本で三番目に小さい市・狛江

店内の雰囲気はとっても上品。涼しげなBGMは、水琴窟でしょか?
4時という中途半端な時間だったからでしょう。この時点でお客さんはいませんでした。
ただ、座ったテーブルの後ろに、「ミッキーマウス」「ドラえもん」といった子供向けの本を発見。子連れのお客さんが多いんかな。ちょっとほんわか気分です。

さて、注文したのは。
すみません、メモをとらなかったので、一語一句まで正確じゃありませんが。

・日本酒一合(つまみ付き)
・穴子の天ぷら盛り合わせ
・辛味大根のおろしそば
・冷やし鴨南蛮
・ビール中瓶1本


注:二人分です!

頼んだ日本酒は、獺祭(だっさい)・純米吟醸50(山口:旭酒造)
選んだのは、「料理を味わうためのお酒」と書かれていたから。・・・「楽しむためのお酒」だったかも。
お酒も好きですが、でも食べるのと飲むのとどちらかを選べと言われたら、私は食べる方を選びます。せっかくの蕎麦の味、そもそもあまり肥えてもいない舌を、更に酒で痺れさせることはないかな、あんまり強くもないしね。でもでも、飲みたいかと問われれば飲みたい
贅沢極まりない選択ですが、正解でした。お酒がすうっと、ひっかからずに喉を通って落ちていくのが気持ちいい!「芳醇過ぎて、美味しいけどオナカイッパイです」ということがない。日本酒を飲み慣れない人間にとっては結構重要です。お酒だけで満足しちゃうのはもったいないでしょう、しかもここは蕎麦やだし。
因みに、つまみは椎茸入り昆布の佃煮。甘くない、辛くない、とても上品なお味。おいしい!キノコ嫌いの連れから奪ってまで食べました。これは、ビールよりも日本酒というお味だなあ。ご満悦。

お次は、穴子天ぷら盛り合わせ
できたてアツアツ。私のイメージする天ぷらよりも衣が薄いナ・・・と思いつつ。
口に運んだ穴子の白い身は、途端にほろ、と、口の中でほどけました。うま味だけ残して、消えるみたいになくなった!お、い、し・・・!
人参も獅子唐もおいしかったのですが、あの穴子はちょっと強烈でした。あんまり天ぷらで食べたことがないからかな。ホンマおいしかった。はふー。

いよいよ辛味大根のおろしそば
そうそう、これが食べたかったんです!
こちらのご主人はsobayaなblogを更新されています。その中で、時無し大根として紹介されていた辛味大根
冬の辛味大根よりも辛味は物足りないけど、葉にちょっと虫食いがあるけど、無農薬な大根、狛江産、なのだそうです。狛江蕎麦や狛江大根
もしかしたら葉っぱを食べた青虫が、大きくなりサナギになりチョウチョになって、そのへんをひらひら飛んでるのかも。

わくわくしながら、志美津やさんのサイトにある「そばのおいしい食べ方」に従って、いざ。
まずはそばをちょっとだけ。ちゅるるっと美味しそうに食べたいけど、なかなか難しいと思う。つい、もぐもぐしてまうんよね。修行不足。
それから、つゆ。ああ、やっぱりこちらの味付けが好きなんだと実感。甘くない、辛くない、でも美味しい。好きな味だなあ。
そして、辛味大根を。くるんと可愛く丸まったかいわれ大根を脇に寄せておいて、箸の先でちょん、と一口。
確かに、頭がキーンとするほど辛くないけど、いっちょまえに辛味がある。当たり前ですが、かいわれ大根の辛さがします。なんだ、可愛いヤツ。冬の大根には勝てなくても、自分なりに頑張ってるんやな。
ほのぼのしながら、ずるずるるー。
このあたりで、恐らくは母娘孫の三世帯の三人組がご来店。お母さんとおばあちゃんによる、品の良い「ミッキーマウス」の朗読が始まって、ますます店内のほのぼの度は増していきます。

日曜日の昼間っから日本酒飲んでおいしいもん食べて。
私の幸福度も上昇街道まっしぐら。

こうして、大満足のうちに完食。
そば湯でつゆを割って、ゆっくりいただいて。
そばの味が濃い蕎麦茶も、一滴残らず飲み干して。
2人で5000円ちょっとで、おなかいっぱいになりました。
ほんとうはそばがきとか、そば豆腐とかも食べたかったのに。また行こう。
ほろ酔い気分のご機嫌で、志美津やさんを後にしたのでした。まだ明るかったけど気にしない。ごちそうさまでした!

でも、反省点が一つ。
始めはやっぱり、蕎麦だけ食べとくべきだったんじゃないだろうか・・・と。
いろいろおいしすぎて、一番肝心要の蕎麦を、うまく表現する言葉がでてきませんよ・・・ごめんなさい!レビュー失格。
蕎麦って難しい。これからはいろいろ食べてみよっと。


お店情報

志美津や(しみずや) 
狛江市東野川4-13-5
ホームページはこちら
なお、季節ごとに代わるという地酒、2005年6月12日時点ではこの4本がメニューに載っていました。
獺祭(だっさい) 純米吟醸50 / 山口・旭酒造
緑川 純米 / 新潟・緑川酒造
喜久泉 特別本醸造 / 青森・西田酒造
・(燗)本醸造 国権 / 福島・国権酒造
※まき子は来るときに声をかけるように。


参考

このエントリーを書くにあたって、以下を参考させていただきました。
ありがとうございました!
●ルフナさんのblog:何気なく~「おいしい~おそば」というエントリ。
 つくり方へのリンクもあり助かりました。おいしいものがいっぱいで目がまわりそう。
●yukaさんのblog:つれづれ蕎麦 '05のエントリ 「狛江市 志美津や」
 蕎麦素人には非常に勉強になるblogでした。感謝。
 私がおいしいと感じたつゆは、yukaさんには今ひとつだったようです。いろいろな感じ方があるのだな、ということで、参考に。