中目黒は、ラーメン屋の店舗数はそんなに多くなく,まあ普通(がどれくらいかわからないが)の数だと思うのだが,ぼくはことのほか麺類が大好きなので,新しいメン系店の探求には余念がない。僕は昼食など結構一人で食事をする事が多いので,その辺をぶらぶら歩いていると、ついラーメン屋が目に止まってしまい,「いつもこんなにラーメンばかり食べていいのだろうか」と悩みつつ,足は既にそのラーメン屋のドアをこじ開けている自分がいる事に気づく。
 というと「この人はさぞかし東京の色んなラーメンを食べているんだろうな」と思われるかもしれないが,実はそうでもなく、僕は結構小心者なので新しいお店に入るときなど一瞬躊躇してしまい,入るときもその店の前をウロウロと2、3往復してから入る事などざらなので、結構同じ店を行ったり来たりしているという結末で,どうやらあんまり店は知らないらしい。更に人気店でいつ行ってもぎゅうぎゅうなんて店には滅多な事がない限り絶対近づかないようにしているので、間違っても「ラーメン王」などと呼ばないように。

 で、中目黒や,その他のラーメン屋を食べていて気づいたのだが,一頃はやっている「ニューウェーブ系」と呼ばれるラーメンに、あまり魅力を感じないのである。というか、味覚や体に全く合わない事に気づいてしまったのだ。
 
 まず、油が以上に多い。豚骨と魚介類なんかからとったダシで作ったスープに,更に油をうえからかけるもんだから,食べた後に唇が油でギラギラするぐらいで,ともすると気分が悪くなる。
 更に、なぜかしょっぱい店が多い。これは深く理由が分らないが,なんかやたらしょっぱい気がする。

 という甚だ勝手で個人的な感情であるが,自分にとっては重要案件であるラーメンの時代と自分とのギャップを抱えつつ日々の労働に励んでいたおり,ひっそりと中目黒のガード下に佇んでいたそのラーメン屋を僕は発見したのである!

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「夕焼けラーメン」と書かれたその店は,店内の昭和を思わせるノスタルジックな趣きそのままに、鶏ガラベースのあっさりとした醤油ラーメンを出してくれるお店なのだ。

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 自己主張がなさそうで、それでいてじわりと何かを感じさせてくれる深い味わい。水分多め太めの縮れ麺。焼豚も凝って煮豚やあぶりチャーシューなんかを使わずに至って正当な物。煮卵もたまに半熟じゃないのもあったりなんかして(これはいけないか)、じつに気取らない見た目とその味に、思わず「ラーメンの極意はあっさり醤油味にあり!」などと心の中で断言してしまった次第。

とはいえ、すべての今はやりのラーメンを否定するわけでもないし,これは僕個人の問題だと思う(28歳、もう若くない。油物も控えめにと言う体からのSOSかもしれない)ということを付け加えた上で,改めてこういうあっさりスープのラーメンの奥深さに気づかされる思いであった。しかもラーメン550円(写真のラーメンは750円)、ラーメンを注文すれば餃子は100円、加えてランチタイムは半ライス無料(僕はラーメンライス方式が大好物なのである)と、650円でお腹いっぱい食べられるというのも嬉しい。もうすこし自分の「あっさりラーメンブーム」を追求していこうと思ったのである。
 
 
 こう書くと僕が非常に食に飢えた貧乏学生というようなイメージにとられそうなので,次はもう少しリッチなディナーを取材したいと思うが,しかし大抵こういうものしか食べていないので,次ももしかしたら「うまくて安いうどんやが・・・」みたいな記事になりそうなのである。そこら編はお許し頂いて,街のおしゃれ情報なんかを期待して頂いている方には、もう少し辛抱してお付き合い願えたらと思う。