廿世紀浴場の解体、相次ぐ廃業、希少なペンキ絵師の逝去?
今年の春はいつにも増して、耳の痛い知らせの続く季節となりました。
 
異常な原油高に煽られ廃業の加速した昨年と比べれば
軒数の減少は鈍ったかに感じられますが、それでも厳しい状況には変わりありません。
西荻窪の玉の湯や、吉祥寺の鶴の湯
まだまだ健在のように思われた東京を代表する名銭湯が
相次いでその歴史に幕を下ろしたのは、記憶に新しいところです。
 
さらに、数少ない現役ペンキ絵師・早川利光氏の逝去。
早すぎる死は、大変な驚きと悲しみをもたらしました。
昭和の全盛期には数10人いたとされる絵師も、これで残るはわずかに2人。
我々日本人の心に深く根付いたあの富士山は、近い将来、完全に失われようとしています。
危機を叫ばれながらも"いつか"、"どこか"?
遠い世界で起こっているかのようだった銭湯文化の崩壊が、
"いま"、"すぐそこ"で起きている現実なのだ、と強く認識させられることになりました。
 
 
さて、長かった東京銭湯お遍路の旅も、あとわずかに八の札所を残すのみ。
銭湯はこのまま昔話になってしまうのか、あるいは何らかの形で残るのか。
八拾八ヶ所・結願成就の先に、きっと答えはあるでしょう。
その行く末を、私はこの目でしかと見届けなければなりません。
 
 
 
トーキョー銭湯雑学コラム ~ 茶屋で一服 ~ 

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