薄暗い常盤湯の店内、しかし浴室には天から木漏れ日のように降り注ぐ光?
見慣れたはずの風景も何かがいつもの銭湯と違うと思えば、見上げてびっくり。
頭上にあったのは、まん丸のかわいらしい湯気抜き天井だった。
「凸」の字型が多い東京銭湯の湯気抜きでは異例の形、
ぐるり巡る採光窓から、豊富な陽光がさんさんと降り注ぐ。
小奇麗に改装された浴槽周りに、ぴかぴかに磨かれた床。
明るくはきはき、笑顔が魅力的なおかみさんの手入れの賜物だ。
だが我々入浴客にこそ未だ健在に映った常盤湯も、築60年。
老朽化は裏で着実に進行していたようで、やむなく今回の閉店に至った。
黙々と体を洗い続ける男性陣、対照に賑やかな壁向こうの女性陣。
男湯まで届いてくるお喋りに、廃業を惜しむ声は止むことがない。
ふいに飛び越えてきた、
また、どこかで会いましょう?
行きつけの二子玉川の銭湯で、いつか自分も発した言葉だった。
〇 常盤湯
住所 東京都豊島区南長崎4?39?15
※ 2008年3月29日をもって廃業
本稿とは離れますが、先日(04/01)、雪谷の明神湯さんへ行く。
実に典型な東京銭湯。あいにくペンキ絵が書き換え中でグレイ。
おかみさんは恐縮しておられて、町田さんの写真集を取り出されて、「本当は、こーなんですよ、、、」。
実は、明神湯さんに行く前に、近所の国の湯さんの動静が気になり行ってみた。やはり閉まっていた。表には「解体予告」の張り紙が、、。
これを確認してから明神湯さんへ行った。おかみさんに尋ねたところ「昨年、ご主人が亡くなって、、、とのことでした。
銭湯巡礼も時を争うようになってきたのかもしれませんね、、、。
千住のM_Hachiya