踏みしめる度軋む床、前のめりに傾いて今にも滑り出しそうな番台。
暖簾を潜ると待ち受けていたのは、驚愕の光景だった。
 
 
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巨大なマンションやショッピングセンターがそびえ立ち、
軒並み銭湯が追いやられた赤羽の西口。
かろうじて開発を逃れた東側の玉の湯だが、外観こそ健全であるものの、
その床は歪んで軋んで傾いて、どうしようもない。
浴室も、同じだ。
湯船に浸かっていると、右なのか左なのかそれとも前へ傾いているのか、
平衡感覚がおかしくなってしまいそうになる。
 
 
銭湯もだいぶ少なくなった赤羽だが、またひとつが姿を消した。
理由は、やはり昨今の原油高。
そして、ひび割れて水漏れの発生した浴槽を
今の客の入りではもう直すことができないからとのことだった。
 
 
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○ 玉の湯
 
住所 東京都北区赤羽南1?31?5
 
※ 2008年9月をもって廃業