その光景に、思わず目を疑った。
古き良きニッポンの風景、手前には釣り糸を垂れる村人。
しかし壁の向こうの女湯側には、コアラ、UFOと鶴、カモメだろうか?
里山の風景とはあまりに不釣り合いな、動物たちの姿があるではないか。
 
 
murakumo_edogawa34_takanoyu_01.jpg
 
murakumo_edogawa34_takanoyu_02.jpg
 
murakumo_edogawa34_takanoyu_03.jpg
 
murakumo_edogawa34_takanoyu_04.jpg
 
 
この青々とした富士山は紛れもなく、銭湯のペンキ絵を専門に描く早川絵師のもの。
しかし明らかに画風の異なる動物も、後から足した形跡は見られない。
 
創業は昭和の7年、小岩界隈でも屈指の歴史を誇る鷹の湯。
絵師が20歳前後、まだペンキ絵師の見習いをしていたころから絵を頼んでおり、
「子どもが喜ぶから」と、特別に描いてもらったのがこの動物たちだ。
10年ほど前から始めたが最近ではもう恒例となっているようで、
言わなくとも勝手に描いて行ってくれるそうな。
 
こちらからは見えないが、子どもの多い女湯側には
なんと湖に浸かるカバやキリンまでもがいるという。
豪雨に見舞われ足止めを喰らったこの日だが、壁の向こうのあちら側からは
年配の女性と孫娘と思しき楽しそうな声が、いつまでも響き渡っていた。
 
 
murakumo_edogawa34_takanoyu_05.jpg
 
murakumo_edogawa34_takanoyu_06.jpg
 

 
 
 
○ 鷹の湯
 
住所 東京都江戸川区南小岩7?40?28
電話 03-3658-7850
営業 15:30~25:00
定休日 月曜